著作財産権-二次的著作物の創作・利用に関する権利」タグアーカイブ

知恵袋 小説の脚本集を出版する予定だが、脚本家の許諾は得ているが小説家はとっていない。 私の出版社では現代作家の小説の脚本集を発売したいと考えていますが、脚本家の許諾はすべて取りました。原作者である小説家の許諾は取ってないのですが、何か問題はあるでしょうか(二次的著作物) 本件での脚本は、小説をもとにして作成したものですので、当該小説を原著作物とする二次的著作物に該当します。 原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関して、二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を有します(著作権法28条)。したがって、小説の著作者である小説家は、脚本の複製や譲渡..続きを読む

知恵袋 大学の入試問題作成で、小説の一部を利用したい。ただし入試問題の性格上、難しい用語等を平易に修正したり、文章の一部を削除することがある。 私は大学の教員ですが、来年度の入学試験の国語の問題として、ある現代作家の小説の一部を利用したいと思っています。この場合、試験問題の作成に当たっては、権利者の許諾は必要ですか。なお、試験問題の性格上、難しい用字・用語を分かりやすいように修正したり、文章の一部を削除して利用することも考えていますが、これも何か問題があるでしょうか。(36条) 小説を複製する行為は、権利者の複製権(著作権法21条)に抵触します。しかし、公表された..続きを読む

知恵袋 高校の中間テストの問題に、英字新聞の社説を利用したい。 私は高等学校の英語教員ですが、中間テストの試験問題として、英字新聞の社説を利用したいと思っています。この場合、権利者の許諾は必要ですか。(35条、36条) 英字新聞の社説を中間テストに複製することは、著作権者の複製権に抵触します(著作権法21条)。 しかし、高等学校の教員は、その「授業の過程における使用」を目的とする場合、公表された著作物を権利者の許諾なしに複製することができます(35条1項)。中間テストは授業の理解度を測るものであり、「授業の過程における使用」といえると考えられますので、中間テスト..続きを読む

知恵袋 予備校の模擬試験問題で文芸評論の一部を利用したい。在学生は無料、在学生以外も有料で試験を受けられる。 私は予備校の教員ですが、私の予備校では、大学入試の直前対策として、在学生に模擬試験を実施しています。在学生は無料で受験できますが、在学生以外の方も1科目2000円の受験料を支払えば試験を受けることができます。この試験の問題として、文芸評論の一部を利用したいのですが、権利者の許諾は必要ですか。 文芸評論を模擬試験に複製する行為は、権利者の複製権(著作権法21条)に抵触します。 しかし、公表された著作物は、人の学識技能に関する試験において、その目的上必要と認..続きを読む

知恵袋 自大学の過去の入試問題を市販問題集に掲載するため教材会社から依頼を受けたので無条件で提供したい。入試問題には他人の著作物を利用している部分がある。 私はある大学の入試担当の教員ですが、教材会社から市販する問題集に掲載するため、本学の入学試験問題の提供依頼があります。入試問題には、他人の著作物の一部分が掲載されていることもあるのですが、無条件で提供してもいいのでしょうか。また、その場合、入試を作成した担当教員の許諾は必要でしょうか。 入学試験問題は、①複数の問題から構成されており、その問題の選択・配列に創作性があれば編集著作物が成立します。また、②個々の問題..続きを読む

知恵袋 業界団体の広報誌やメールマガジンに、最近発刊された新聞の社説を掲載したい。 私はある業界団体の職員ですが、最近発刊された新聞の社説に業界の将来に関する提言が書いてあったので、次の広報誌に当該社説を転載したいと考えています。この場合、権利者の許諾は必要ですか。メールマガジンへの転載はどうですか。(39条) 新聞の社説を社説やメールマガジンに転載する行為は、新聞社が有する複製権(著作権法21条)に抵触します。もっとも、社説のように、新聞や雑誌に掲載されて発行された政治上、経済上または社会上の時事問題に関する論説は、利用を禁止する旨の表示がないかぎり、他の新聞や..続きを読む

知恵袋 美術館で、某作家の美術展を予定している。その際、展示品の写真と解説文を記載した簡単なパンフレットを配布したい。所有者の了解は得ている。 私の企業では美術館を運営していますが、当該美術館である現代作家の美術展の計画をしています。その際観覧者のために展示品の写真と解説文が記載された簡単なパンフレットを配布したいのですが、権利者の許諾は必要でしょうか。なお、所有者の了解は得ております。【47条】 美術館に展示される美術品は著作物であり、これを複製する行為は権利者の複製権(著作権法21条)に抵触しますが、美術館が、観覧者のために著作物の解説をすることを目的とする小..続きを読む