よくお問い合わせいただく質問をQ&A形式でご紹介します。
著作物(美術作品、写真、書籍、雑誌、学術著作物、新聞など)を紙に複写(コピー)することに関し、著作権者が持っている複写権(複製権:著作権法第21条)の管理の委託を受け、権利者に代わって、委託を受けた範囲でコピーすることを利用者に許諾するところです。
これは「著作権の集中管理業務」と言われ、著作物のコピーを希望する方と日本複製権センター(JRRC)が「著作物複写利用許諾契約」を締結し、その契約書の内容に従って利用者の方から複写使用料の支払を受け、これを権利者に分配するというものです。JRRCを構成している会員団体から複製権の管理委託を受けた著作物を、原則、譲渡を目的としない社内や組織内部で使うことを対し、著作物の小部分・小範囲、少部数を複製することができます。
こちらのページの「契約対象の著作物について」をご覧下さい。2018年10月1日より、JRRCと「電磁的複製許諾契約」を締結していただければ、JRRCに複製権の管理を委託している新聞社が発行する新聞記事につきましては、スキャンしPDF化するような電磁的媒体への複製許諾ができるようになりました。JRRCの使用料規程の範囲内で電磁的複製を行い社内で共有することができます。
電磁的複製の詳細につきましては、こちらのページの「電磁的複製許諾について」をご覧下さい。JRRCは、著作物を複写(コピー)する権利を委託されているだけであり、著作物を「転載」する場合の権利を委託されていませんので、直接権利者の許諾を得ていただく必要があります。
著作物の「引用」については、著作権法に規定された要件を満たしている場合は、許諾を得る必要はありません。
日常的にいただくご質問から、一般に「引用」と「転載」が混用されていると思われるため、以下のとおりご説明いたします。「転載」とは、著作権法上32条および39条にのみ規定されています。従って、一般的に使用されている「転載」、いわゆるコピペについては、著作権法上「複製」に該当すると解されます。そして、「転載」と「引用」の違いで、「引用」に該当するか否かは、下記要件全て備えていることが必要となります。その条件とは、
- 引用する著作物は公表された著作物であること、
- 自己の文章が「主」であり、引用される文章は「従」であること
- 引用する量は必要最小限に限られること、
- 引用する文章は原文のままであること(改変してはいけない)、
- 自己の文章と引用する文章は「かっこ」で括るなどして、明瞭に区分すること、
- 引用した直近の位置に引用する著作物の出所を明記すること。
(自己の論旨に導くため、または自己の論旨を説明するために第三者の文章を利すること)、
以上の6つの条件をすべて満たした場合のみが著作権法上の「引用」と認められます。したがって、この条件を一つでも欠く場合は、「複製」ということになり、著作権者の許諾が必要になります。
なお、同法第32条第2項には、例外として、国や公共団体などが作成する広報資料などの「転載」が認められる場合が規定されています。JRRCは、会員団体から複写権の管理委託を受けて、一定の範囲でコピーすることを許諾するところで、コピーサービスをするところではありません。
また、蔵書があるわけではないので、個々の著作物の内容については、同じ奥付に記載されている「発行所」などの連絡先にお問い合わせ下さい。
(ご参考)
CRIC(公益社団法人著作権情報センター)の「著作権Q&A」もご活用ください。