JRRCマガジン第21号(複製と送信、米国の立法動向)

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   JRRCマガジン
                       2014/3/20配信 第21号
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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆INDEX◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

*半田正夫の著作権の泉        第9回    「複製と送信」
*JRRC☆TIMES             「JRRCなうでしょ  第9回」
*山本隆司弁護士の著作権談義   第18回   「米国の立法動向」
*読者の声                 読者の声の投稿と掲載
*インフォメーション            ご意見・ご要望、各種手続きetc

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今月18日、春一番が吹きました。
いよいよ本格的な春の到来ですね。
東京では3/28が桜の開花予想日だそうです。
陽気に誘われ、旅をしたくなりますね~。
旅先で、花を愛でながら、おいしいお食事をいただきたいですね(*^_^*)

では、メルマガ第21号をお届けします。
 
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   半田正夫の著作権の泉 第9回
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★「半田正夫の著作権の泉」の連載第9回目です。
   
第9回は、「複製と送信」です。
今回は公共図書館における複写サービスに関するお話です。

かつて僻地の学校に勤務する教員からつぎのような質問を受けたことがある。

「教材研究をしているうちに、ある文献の参照が絶対必要になってきました。
県立図書館に電話連絡したところ、その文献が所蔵図書の中にあるということでした。
そこで、該当箇所をコピーしてファックスで送るようお願いしたのですが、
郵送であれば受け付けるとのことでした。しかし郵送となれば数日がかかり、
急ぎに間に合いません。なんとかならないものでしょうか。」

周知のように、著作権から派生する権利の一つに複製権があり、著作物を複製する場合
には原則として著作権者の許諾が必要となっている。だがこれにはいくつかの例外があり、
その一つに公共図書館における読者サービスとしての複製がある。すなわち、
①図書館利用者の調査研究の用に供する目的であること、
②著作物の一部分の複製に限られること、
③一人につき一部の提供であること、
の3要件を満たす場合には、著作権者の利益をそれほど侵すおそれもないものとして、
例外的に複製権の行使について適用除外が認められているのである(著作権法31条1項1号)。
したがって、設問の場合、その教員がみずから県立図書館に出向いてコピーの申請をすれば、
間違いなくコピーが交付されることになると思われる。しかし、ファックスでの送付の依頼
ということになると、公共図書館はこれに応じることはできないのである。なんとなれば、
ファックスでの送信には公衆送信権が働くことになり、権利者の許諾が必要になるからである。
図書館が言うように、コピーの郵送であれば、依頼者の求めに応じて図書館が複製しこれを送る
ということになり、公衆送信権に抵触することなくこれが可能となるが、ファックスでの送信
ではこれが被ってくるのである。これは実に奇妙というほかない。図書館に近い人は図書館に
赴いてコピーしてもらえるが、遠い人、とくに過疎地に住む人はコピーサービスを受けることが
できないという不公平さが生じてしまう。国会図書館のウエブサイトをみると、同図書館では
遠隔複写サービスを実施しているが、それはあくまでもインターネットや電話による申し込みに
対して、郵送または宅配便で複製品を送るという手段を用いており、ファックスによる送信を
認めていないようである。現行法上やむをえない措置といえるが、複製物を迅速に使用したい
という場合には応じられないという欠陥があり、法の下の平等という点からも納得できない
ところではなかろうか。

似たような例はほかにもある。

公共図書館では電子書籍時代に対応してデジタル化された資料を収集する傾向にあるが、
この場合に、他の図書館が持っているデジタル資料をオンラインで入手できるのであれば、
各図書館にとっては資料収集のための費用削減と資料保管スペースの縮減につながるという利点
があり大いに期待されるところである。ところが法によって他の図書館に提供することが
許されているのは、
①その資料が絶版その他これに準ずる理由によって一般に入手することが困難な場合であり、
②複製による提供である場合に限られている(著作権法31条1項3号)。
①については著作権者の不利益ならないよう配慮したものであってこの点について異論はない。
問題は②についてである。①の要件をクリアした場合であっても許されるのはあくまでも
複製だけであって、オンラインで他の図書館に送信する場合にはどうかについては明文の
規定はない。おそらく図書館同士のやりとりは公衆への送信ではないがために公衆送信権の
及ぶ範囲外であると考えたためではなかろうかと推察される。しかし、複数の図書館に
向かって同時に発信する場合には「公衆」の定義に「特定かつ多数の者を含む」とある
ところからすれば(著作権法2条5項)、公衆送信権の及ぶ範囲内の問題となってくる
のであり、この場合の不均衡についても考慮すべきではなかろうか。また、行政官庁など
において内部資料として著作物を複製する場合に権利者の許諾は必要とされていない
著作権法42条についても送信が抜けているので同様のことがいえるようである。

著作物の流通が出版を通じて行われていた時代には著作物の利用手段として複製が
その主流を占めたが、高度情報化の現代においては複製とならんで送信が重要な地位を
占めるにいたっている。このような傾向をみると、著作権法上の扱いも複製と送信とを
同様に扱うべきであり、多少でも差異を設けるのは控えるようにすべきではないかと考える昨今である。

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   JRRC☆TIMES
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☆★☆JRRCなうでしょ☆★☆

第9回目を迎えています事務局長コラム。
今回はロンドンへ。。。楽しみですね。

こんにちは。
JRRC事務局長の稲田です。
やっと春らしくなってきた今日この頃ですね。
昨日より桜の開花速報がテレビのニュースで取り上げられ始めました。
皆さんの地方ではいつ頃の開花予測でしょうか?
お花見を心待ちにしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

それでは今月号の最初の報告です。
去る2月25日に第4回JRRC著作権セミナーを開催いたしました。
今回の講演者は文化庁著作権課の森課長と虎ノ門総合法律事務所の石新弁護士の2名にお願いしておりましたが、
おかげさまで約600名ものご参加をいただき、無事盛況裡に終了することが出来ました。
これもひとえに皆様のJRRCに対するご支援ご協力の賜物と深く感謝しております。
ところでひとつJRRC事務局から当日ご参加の皆様へお詫びを申し上げなければなりません。
当日配布した資料の中のピンク色のチラシですが、冒頭「JRRCとご契約いただければ・・・」となるべきところが、
「JRRCとの契約だけで著作物の適法な複写利用が可能です」との表現になっておりました。
JRRC以外にもいくつかの管理団体が独自に著作権管理業務を行っておりますので、これは誤った表現であり、
JRRC事務局として参加者及び関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけしたことに対し、深くお詫びを申し上げます。
今後このようなことが起きないよう、事務局として文書管理を徹底していく所存ですので皆様のご理解とご協力を
よろしくお願い申し上げます。

次は無料講師派遣事業のご報告です。
昨年の4月から公益事業の一環として開始した無料講師派遣事業ですが、おかげさまを持ちましてこれまで10数社、
延べにして1300人以上の受講者に対し、「企業人のための著作権基礎知識」に関する講習会を実施いたしました。
講習会では、いつも大勢の方から著作権に関する様々なご質問をいただき、回答を通して皆様とスキンシップを
図れることが何よりの楽しみとなっています。
本事業は2014年度も継続して実施いたしますので、企業ガバナンスの徹底、CSRの一環等としてご利用いただければ幸いです。
お問い合わせはホームページからどうぞ。

最後はイスタンブールからロンドンに飛んでロンドン事情その1-ロンドンパブ事情1についてのお話です。
ロンドンと言えば、パブのメッカですからお酒の好きな方にとってはたまならいところではないでしょうか?
日本でいえば居酒屋ですが、日本では昼間から営業している居酒屋はそう多くはないと思いますが、ロンドンのパブは
昼間から営業しており、サラリーマン風の方も若い女性もまた、お年寄りの方もビールを飲みながら楽しく談笑している
風景を見ることができます。
私もパブ巡りが好きですのでロンドンに行った際は、必ず寄ることにしています。
今回最初に訪れたパブは、ホテルのあるハイドパークの近くにありましたが、昼食目的のために入ったので、最初は
ビールではなく食事に合うシャンパンをグラスで頼んでみました。ご存知の方も多いでしょうが、パブではお酒はすべて
カウンターに行ってその都度現金で支払います。食事を注文する場合は、パブによりウェートレスが注文に来るところや、
カウンターに行って注文し、支払いの際テーブル番号を告げて席に戻ります。
日本のレストラン等でグラス・シャンパンを頼むと最低でも1000円以上すると思いますが、
私が行ったパブでは一杯なんと2ポンド40ペンスでしたから日本円では400円程だと思います。あまりに安いのでびっくり
しましたが、味の方はそんなもんかなという感じでした。
シャンパンのあとは、いつもの定番で1パイントのギネスです。
日本でもアイリッシュバー等でギネスが飲めますが、ロンドンのパブで飲むギネスはまた格別です。さて、食事の方はまた
ロンドンパブの定番であるフィッシュアンドチップスを
注文しました。パブによって付け合せの野菜が豆だったりコーンだったりしますが、ここのはポテトチップスとえんどう豆が
付け合せでした。
出てきたフィッシュは大皿をはみ出すくらいの大きな鱈のフライで、付け合せの野菜もお皿の半分を占めるほどのボリュームで
おなかが一杯になり、久しぶりにロンドンの味を楽しむことが出来ました。
次回はロンドンパブ事情その2-シャーロックホームズ・パブの紹介です。
シャーロックホームズ・ファンの方にとってはたまらない場所ですね。

以上

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   山本隆司弁護士の著作権談義  第18回
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★山本弁護士の著作権談義の第18回目です。

今回は、「米国の立法動向」です。
昨年より始まった米国著作権法の全面的見直しと全面的改訂に向けた活動の背景に
ついてお話をされています。

昨年から、米国著作権法の全面的見直しと全面的改訂に向けた活動が始まっています。
昨年、米国議会下院の司法委員会委員長に就任したロバート・グッドラテ議員が、
4月24日に開かれた「世界知的所有権の日」記念イベントにおいて、これまでの手直し的立法を
続けるのではなく、著作権法の全面的見直しに向けた、包括的な一連の公聴会を開催すると
宣言しました。

そのきっかけになったのは、昨年3月20日におけるマリア・パランテ著作権局長に対する公聴会です。
マリア・パランテはそれに先立つ3月6日にコロンビア大学ロースクールで行った講演
「The Next Great Copyright Act」において、米国著作権法の全面的見直しと全面的改訂の
必要性を指摘していました。マリア・パランテは、その指摘を議会の公聴会の場で行ったものです。
その内容については、後日ご紹介したいと思います。
すでに、グッドラテ委員長は、司法委員会の「裁判所、知的財産及びインターネットに関する小委員会」
(委員長:ハワード・コーブル議員)において著作権法の諸問題について一連の公聴会を行い始めました。 
2013年7月25日には「アメリカにおける技術革新: 著作権の役割」、
同8月1日には「アメリカにおける技術革新: 技術の役割」、
同9月18日には「米国知的財産制度における任意的合意の役割」、
2014年1月14日には「著作権保護の範囲」、
同1月28日には「フェアユースの範囲」をテーマにした公聴会が開かれました。
また、2014年3月13日には「合衆国法典第17編第512条(著作権法512条のプロバイダ責任制限)」を
テーマにした公聴会が開かれる予定です。このような公聴会での議論も後日ご紹介したいと思います。

また、米国商務省は、2013年7月に「デジタル経済における著作権政策、創造性及びイノベーション」
を発表しました。そこでも、米国著作権法の全面的見直しと全面的改訂の必要性が指摘されています。
その内容についても、後日ご紹介したいと思います。

さらに、著作権法の重要な論点を含む裁判事件が、立法的解決を必要とする動きに拍車を掛けています。
たとえば、すでにこのメルマガでご紹介しましたが、海外で製造された著作物の複製物の並行輸入は、
伝統的に違法と考えられていたところ、昨年、連邦最高裁はこれを適法とする判決を下しました
(Kirtsaeng v. John Wiley & Sons, Inc., __ U.S. __ (2013))。伝統的な立法趣旨を明確にする
著作権の改正を求める動きが出ています。また、いかに時間的に短い蓄積であってもデジタルの一時的蓄積は
複製であるとこれまで考えられていたところ、第2巡回区連邦控訴裁判所がバッファーにおける一時的蓄積は
複製に当たらないとの解釈を打ち出しました(Cartoon Network LP v. CSC Holdings Inc., 536 F.3d 121 (2d Cir. 2008))。
これに追随する解釈を採る判決も出始め、前記判決を事例判決として放置するわけにも行かなくなったのでしょうか、
連邦最高裁は、その上告を受理して審理することとしました(American Broad Cos., Inc. v. Aereo, Inc.)。
デジタル環境においてどこまで著作権を及ぼすのかは、現行著作権法ではほとんど議論されておらず、
複製権の概念の解釈でこれまで対処されてきましたが、現在のデジタル環境と今後の発展を見据えて
立法政策的に検討して対処すべき問題です。また、米国著作権法は、日本法における時効に相当する
3年の出訴制限期間を定めています(507条)が、判例法上のラッチェスの法理(権利行使の怠慢による請求権の喪失)
が適用され、侵害訴訟の提起が出訴制限期間内であっても請求が棄却されることがあります。かつては
ラッチェスの法理は過去の侵害に対する損害賠償請求にだけ適用されていましたが、第9巡回区連邦控訴裁判所は
将来の侵害に対する差し止め請求に対しても適用があるとの解釈を採り始めました
(Danjaq LLC v. Sony Corp., 263 F.3d 942 (9th Cir. 2001))。制定法上の制限が定められているのに、
さらに判例法上のラッチェスの法理を著作権法上の請求に適用してもいいの、,という論点について、
連邦最高裁は上告を受理して審理することとしました(Petrella v. Metro-Goldwyn-Mayer, Inc.)。
などなど、現行著作権法の予見していた射程をはるかに越える問題が山積しており、現行法の解釈で解決する
のではなく、立法政策的に長い射程を見据えた簡明かつ整合的な法制度の再構築が急務であるとの認識が広まっているようです。

以上のような背景の下に、米国では米国著作権法の全面的見直しと全面的改訂に向けた動きが盛り上がりつつあります。

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   読者の声
            『読者の声』の投稿と紹介
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このコーナーは、「JRRCマガジン」が皆さんにとって便利な、役に立つ情報収集ツール
としてご活用していただけるよう、ご意見・ご感想をお寄せいただき、その中から選出し
てご紹介するコーナーです。
                              
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   あとがき
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我が家には、6歳になるダックスフント君がいる。

ペットショップで、トホホホホとしていた彼(!?)を息子が気に入り、家族の一員となった
チョコタン種である。
早速一員となった翌日より息子のわんこへの溺愛が始まった。
「あぶないよ」「お薬ちゃんと飲もうね」「お手はこっちからだよ」「お散歩行くよ~」「かわ
いいね」等々・・・

しかし、息子の生活が昨年4月より一気に忙しくなり、わんこと戯れる時間が少なくなっ
てしまった。
すると、わんこは息子が外出の支度を始めると、察知し、落ち着きがなくなり、揚句ワン
ワン吠えだすのである。
息子曰く「一緒に行きたいよ~」「置いていかないで~」「連れてって~」と訴えていると
のこと。
そうかも知れない。
犬は飼い主の言葉を理解している。
「待て」とご主人様に言われて、いつまで~も待っている犬をテレビで見たことがある。
美味しそうなご飯を目の前にしてでも、ご主人様の言うことは絶対、目線の先はご主人
様であった。すご~い!!!と感心したものだ。

犬が家畜として飼われ始めたのは、約1万2千年前とか。
犬の祖先であるオオカミが人間の居住空間に近づく猛獣を追い払い、そのご褒美として
人間がオオカミに食べ物を与えるといった「ギブアンドテイク」が成立していたとのこと。
その関係は、現代では人間側の主目的が「癒し」となっている傾向が窺える。

そして我が家でも、「癒し」であるわんこ。
動揺を抑える手段の再検討・・・課題です。(A.U)

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■編集責任者
   JRRC副理事長 瀬尾 太一   
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