JRRCマガジン第47号(著作物性の限界)

山本隆司

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   JRRCマガジン No.47 山本隆司弁護士の著作権談義
                 第40回「著作物性の限界」
                                2016/2/19配信
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皆様、こんにちは。
JRRCメルマガ担当です。

気づけば立春も過ぎ2月も半ば、北朝鮮ミサイル発射や清原元選手逮捕などびっくりする
ようなニュースが続き、子どもたちの未来は・・・と不安になってしまう今日この頃です。
読者のみなさまはいかがお過ごしでしょうか?

では、
好評の山本隆司弁護士の著作権談義、
『第40回 著作物性の限界』
をお送りいたします。

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山本隆司弁護士の著作権談義 第40回 著作物性の限界

アメリカの最近の裁判例に、料理のレシピの著作物性が争われた事件と、
ヨガのポーズの著作物性が争われた事件がありました。
教科書的な論点でおもしろいと思いましたので、この事件2件をご紹介します。

 まず、料理のレシピの著作物性が争われた事件で、2015年10月20日、第6巡回区
控訴裁判所は、料理のレシピに記載された材料のリストは事実にすぎず、作り方は
アイデアにすぎないから、著作物には当たらないと判示しました。この事件では、
原告は、料理のレシピを著作権登録できなかったので、料理のレシピを集めたレシ
ピ本にして、編集著作物として著作権登録しました。被告が編集著作物としての創
作性を争ったのに対して、原告は、いかに工夫されたレシピであるか(レシピにお
ける創作性)のみを主張しました。そこで裁判所が、レシピ本に記載された各レシ
ピには著作物性がない、編集著作物としてのレシピ本については創作性の立証がな
い、として原告の訴えを退けたという事案です。この判決以前にも、いくつもの判
決が料理のレシピには著作物性が認められないと判示しています。

つぎに、ヨガのポーズの著作物性が争われた事件で、2015年10月8日、第9巡回区控
訴裁判所は、本に記載されたヨガの26のポーズの順序には著作物性がないと判示し
ました。この事件では、原告は独自に開発したヨガの26のポーズの順序を教室で教
えていました。被告は、原告の教室でこれを学習し、自らの教室を開いて同じヨガ
の26のポーズの順序を教えたところ、著作権侵害に問われました。
 原告は、まず、ヨガのポーズは美しさを持つから表現として著作物であると主張
しました。裁判所は、ヨガのポーズは健康増進を目的としたアイデアにすぎないと
判示しました。
 原告は、また、ここのヨガのポーズがアイデアであっても、ヨガの26のポーズの
順序はアイデアを選択・配列した編集著作物であると主張しました。しかし、裁判
所は、その26のポーズの順序は体を温め筋肉をほぐすという機能によって選択・配
列されたものであるからやはりアイデア自体であって、編集著作物として保護され
ないと判示しました。
 原告は、さらに、ヨガの26のポーズの順序はダンスと同様に舞踊著作物であると
主張しました。しかし、裁判所は、その26のポーズの順序は機能的に選択・配列さ
れたものであるからやはりアイデア自体であって、舞踊著作物としても保護されな
いと判示しました。

 次回は、最近のフェア・ユース判決をご紹介したいと思います。
以上

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■お問合せ窓口
   公益社団法人日本複製権センター(JRRC)
     ホームページの「お問合せ」ページからアクセスしてください。
       ⇒ http://www.jrrc.or.jp/inquiry/

■編集責任者
   JRRC副理事長 瀬尾 太一   
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