JRRCマガジンNo.249 塞翁記-私の自叙伝28

半田正夫

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JRRCマガジン  No.249 2021/8/26
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みなさま、こんにちは。

今回の半田先生の自叙伝は、「学校法人執行部の一員として」の続きです。
なお、日経紙等のご利用とオンライン著作権講座については、
前回お知らせしたとおりですが、最後に改めて掲載いたします。

前回までのコラムはこちらから
⇒https://jrrc.or.jp/category/handa/

◆◇◆半田正夫弁護士の塞翁記━━━━━━
             -私の自叙伝28-
 第16章 学校法人執行部の一員として②
        
━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆     
◆理事長に就任
2010年9月、青山学院理事会において理事長に選出される。
任期は1年半。中途半端なのは前任者の残存期間を受け継いだからである。
期間は短いにせよ、青学出身者でもなければクリスチャンでもない者が理事長に選出される例はこれまでにないとのことであり、重責に身の引き締まる思いがしたものである。

◆東日本大震災への対応
2011年3月11日、この日は出張中で京都に来ていた。
夕刻、ホテルに戻り、テレビを点けると、大津波が押し寄せる光景を映し出していた。
私は過去に外国であった津波の模様を映しているものと思って観ていたのであるが、なんだか様子が変なことに気づいた。
東北地方で大地震があり、大津波が襲っているという、とてつもない事件が発生していることが間もなく判明。
東京地方も大揺れに揺れて交通機関はすべてストップ。電気も止まっているとのことだ。
娘に電話するが、なかなかつながらない。ようやくつながり、メールが入る。
いまお台場海浜公園駅前でバスを待っているところだが、被害はなく大丈夫だとのことで安心する。
関西では地震の余波はまったく感じられなかったので、他人事のように思われたのが実感であった。

後で知ったことであったが、青学は帰宅困難者を一手に引き受けて保護したとのことである。
当日、交通機関がマヒしていたこともあって渋谷駅界隈では大混雑になったが、青学では駅と連絡を取り、約9000名に及ぶ帰宅困難者を記念館や講堂に収容し、災害用として備蓄している飲料水や毛布などを支給する一方、学食や青学会館の食堂では職員や学生たちが一体となって大量の握り飯などを作って配布するなど、懸命の救護活動を行ったとのことである。
このことが翌日の新聞に大きく拡大された写真とともに報道されて、青学関係者は大いに面目を施したのである。

後日、渋谷区役所から当日の活躍に対する感謝状が贈られるということで、理事長として式典に参加したが、感謝状を受けた団体は16で、そのうち青学は9000名の避難者を受け入れてダントツの1位、次は国学院大で900名であったとのことであった。
そのときに知らされたのは、渋谷区では区立の学校その他の公共施設で一人の受け入れもしなかったという事実であった。区立の施設は区民へのサービスのために使用されるべきで、渋谷区民ではない単なる通行人に過ぎない者を保護する義務はないという考えに基づくものであったことを知らされ、その偏狭な心をもつ区長の姿勢に憤りすら感じたほどであった。
後日、渋谷区では後ろめたさを感じたのか、協定書なるものを作成し、これにサインしてほしいと申し入れをしてきたのである。見ると、今後このような災害が発生した場合には青学は帰宅困難者を受け入れること、それに要した費用は自己負担とする内容のものであった。自分勝手すぎるその内容に怒った私は、その協定書にサインすることを拒否した。
青学は困っている人を助けるというのは当たり前という建学の精神に即して行動しているのであって、協定があるから救済するというものとは考えていないという理由でお断りしたのである。
この態度は青学関係者すべての共感を得ることとなった。

◆理事長最後の日の日記
3月30日(金) 薄曇り
今日は出勤最後の日。
9時半出勤。
10時、K総局長来室。書類を手渡す。
10時15分、K総合企画部長来室。
10時50分、関電工社長ら挨拶に来訪。
11時 5分、総合企画部A課長来室。羊羹をもらう。
12時45分、監査室の一同が花束を持って挨拶に来室。
13時、次期理事長のA氏と事務引継ぎ。
14時、短大・法人執行部懇談会。
15時、短大T学長に辞令交付。理事長室内にある段ボールの発送手続きを行う。TMI総合法律事務所に6個、自宅に1個。I書店に書籍の売却について電話連絡。
16時、名誉教授称号贈呈式に出席、14名の教授に贈呈して挨拶。終わって、間島記念館前にて記念撮影。
16時45分、本部礼拝堂にて私に対する退任辞令交付、Y院長の挨拶。
17時、拍手に送られて本部前に出て、お別れの挨拶をし、およそ100名の教職員の見送りを背に車で青学を去る。

退任の挨拶
「私の見送りのためにお集まりいただき誠にありがとうございました。ただいま、院長から辞令をいただきました。
そこには理事長の私から私宛に『任期満了により理事長の職を解きます』との表記がありました。これをいただきながら感慨ひとしおのものがありました。
私はいまから41年前の1971年に青山学院に奉職いたしました。ちょうどそのころは学園紛争の真っ最中でした。
その後、教授、法学部長、図書館長、総合研究所長、大学長を務め、さらに法人に移って常務理事、院長代行、理事長を経験することになりました。
青学出身でもなければ、クリスチャンでもない私をここまで引き立ててくれた青学の度量の広さに感謝しているしだいです。
これまでにいろいろなことがありました。厚木キャンパスから相模原キャンパスへの移動、そして相模原キャンパスから青山キャンパスへの移動問題、3.11の影響など大きな出来事がたくさんありましたが、それを大過なく過ごしてこられたのは、教職員の皆様のご協力があったからであり、心からお礼申し上げます。
青学は大きな可能性を秘めた組織です。今後大きく伸びる潜在能力を持っております。
どうか皆様のご努力により、さらに素晴らしい青学を作っていただきますよう願ってやみません。
私はこれからは学校の外から、青学を愛する者のひとりとして、箱根駅伝をはじめすべての活動にエールをおくっていきたいと考えております。
最後に皆様のご健勝と青学の発展を祈念して、お礼の言葉といたします。皆様ほんとうにありがとうございました。」

18時、帰宅。妻が玄関に出ていて、運転手のNさんに酒と菓子を手渡して、お礼を言う。
19時、娘が花束とカバンのプレゼントを持って来る。家族3人ですき焼きを食べる。

3月31日(土) 曇り
昨夜より風が強く、窓がガタガタと鳴る。
今日は妻の誕生日。77歳の喜寿を迎えたというわけだ。
そして私の正式の退職の日。風のため玄関のドアが開かなくなるほどだ。風速28.5メートルで昨年秋の台風以来の強風とのこと。
昨日でなくてよかったと思う。午後、昼寝。
朝日新聞朝刊に「日本複製権センター明日スタート」の見出しで、私が理事長である旨の記事が掲載されていた。

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