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知恵袋

自社で作成している顧客データベースの著作権について知りたい。

私の会社では、顧客の氏名、住所、性別、電話番号、趣味を一覧にしたデータベースを作成していますが、このデータの集合体に何か権利はあるでしょうか。個別のデータはどうですか。(著作物性、データベースの著作物)
著作権法が保護している「著作物」は、「思想又は感情を創作的に表現したもの」です(著作権法2条1項)。データベースの著作物においては、個々のデータが表現ではなく、個々のデータの選択または体系的構成が表現です。したがって、創作性が要求されるのも個々のデータではなく、その選択または体系的構成に創作性が必要です。
このように、個々のデータ情報の選択または体系的構成に創作性を有するデータベースは、個別のデータとは別個に、データベースの著作物として保護され(12条の2)、著作者人格権および著作権が認められます。ところが、顧客の氏名、住所、性別、電話番号、趣味という情報の選択には創作性がありそうにはありません。しかし、当該顧客の選択方法によっては、そこに創作性がある可能性がありますので、データベースの著作物として著作者人格権および著作権が認められる可能性があります。
他方、個別のデータそれ自体も、その表現に創作性があれば、データベースの著作物とは別個に、著作物として保護されます(2条1項1号)。しかし、本件データベースにおける個々のデータは、氏名、住所、性別、電話番号ですので、単なる事実にすぎず著作物ではありません。しかし、趣味の記載は、その記載が単語レベルではなく文章レベルのものであれば、創作性のある著作物である可能性があります。

回答者  山本隆司 弁護士 (インフォテック法律事務所)
※回答内容は本ケースにおける一例を掲載しています。
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