JRRCマガジンNo.273 塞翁記-私の自叙伝36

半田正夫

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JRRCマガジン  No.273 2022/4/21
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◆今回の内容
【1】半田正夫弁護士の塞翁記 私の自叙伝36
【2】2022年度著作権講座初級オンライン開催について(無料)
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みなさまこんにちは。

陽春の季節を過ぎるともうすぐ連休ですね。
みなさまは今年の連休はどのようにお過ごしのご予定でしょうか。

さて、今回は半田先生の得難い経験の続きです。どうぞお楽しみください。

前回までのコラムは下記よりご覧いただけます。
⇒https://jrrc.or.jp/category/handa/

◆◇◆半田正夫弁護士の塞翁記━━━━━━
              私の自叙伝36
     第19章 得難い経験⑤     
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◆国技館の溜まり席
国技館のマス席は定員4名であるが、4名入ればギュウギュウ鮨詰めの状態になるほど狭い。
ここに3度招待されたが、そのうち1度は若乃花部屋の法律顧問をしていた清水教授の斡旋で妻とともに行ったことがある。
その日は貴乃花が14日目で優勝を決め、横綱昇進を決めた一番を間近で見ることができた。

また別名、「砂被り席」ともいわれる溜まり席にも2度招待されたことがある。
溜まり席はマス席の前に位置し、次の出番を待つ関取のすぐ後ろにある座布団席である。
土俵のすぐ近くであり、土俵上での関取のはげしい息遣いが聞こえてくる席ではあるが、マス席と違って飲食禁止のうえ、あぐらも容易にかけないほどの狭さであり、土俵から転落してくる力士のため負傷する可能性のある席(かりにケガをしても、当日、国技館の診療所での治療は受けられるものの、それ以外は一切協会は責任は負わないという一札があらかじめ入れられている)なので見学には最適とはいえないようである。
ちなみにこの席は販売されておらず、特定のコネを持った者だけがチケットを持っている仕組みとなっている。
この溜まり席に招待されたときに、席がたまたま向こう正面で通路沿いであったがため、テレビに何回も映し出され、全国の知人から姿を見たとの連絡が入ることになった。
このときは、伊勢ヶ浜部屋の招待(親方夫人が青学出身)であったので、打ち上げ後、伊勢ヶ浜部屋に招待されて、日馬富士などの関取とともにチャンコ鍋を囲んだのである。

◆東京駅の貴賓室
東京駅にはJR職員ですらその存在を知る者は少ないといわれている幻の貴賓室と通路があることをご存知であろうか。僥倖にもこの場所の見学が2017年1月に叶ったのである。
ことの発端はこうである。当時、私が委員長を務める日テレ番組審議会では、1月の定例会のあと,恒例の新年会を行うことになり、その場所を東京ステーションホテル4Fの「アナトリウム」で行われることになった。その際、ステーションホテルの内部を見学させてもらせるとのことだった。
ちょうどその頃、北大法学部大学院の同期であった松田昌士氏(JR東日本社長、会長を歴任し、当時相談役)らと会食をする機会があったので、東京駅に貴賓室があるかと尋ねたところ、あるとのこと。そこで「近くステーションホテルで会合があるのだが、見学できればいいのだがなあ」となにげなく口をすべらせたところ、たまたま現駅長の江藤尚志氏が松田氏の在任当時、秘書課長をしていて私と会ったことがあることが分かり、あとはトントン拍子に見学の段取りが決まったのであった。
当日、17時半、ホテルのロビーに集合したわれわれ番組審議会のメンバーと日テレの常務らは、まず左右に100数十メートル伸びたホテル内に入り、1泊13万円のスイートルームと1泊80万円の最高級スイートルームを見学したあと、駅長室に招じ入れられる。駅長室は駅の丸の内中央部に位置し、広大な執務室である。
横山大観の「富士山」の絵が中央の壁に飾られ、その左右には鉄道建設に功をなした後藤新平の書と東京駅を建設した辰野金吾の書などが飾られている。
私はかつて来日した台湾の李登輝(元総統)が座った席に座らせられ、駅長から話しを聞く。戦前、原敬総理が東京駅で暴漢に襲われ重傷を負い、この部屋で絶命したこと、そしていまでも深夜この部屋に一人でいるとものの気配を感じるときがあることなどを知らされる。隣室が「梅の間」と称する会議室。
そこには歴代の東京駅長の写真が壁面を飾っていた。さらに奥に進むと、国賓や公賓が来た時の「竹の間」がある。
天皇・皇后以外の皇族なども休憩はこの部屋でするとのことだ。外国の大使・公使が信任状を渡すために皇居に馬車で行くときもこの場所が待機するところだと聞かされる。
さらに奥に進むと、赤絨毯が敷き詰められた「松の間」がある。
ここは天皇・皇后の休憩室であり、ロープが張られていて中に入ることはできなかったが、入り口からは高い背もたれのついた2脚の立派な椅子が見られ、ドアには菊のご紋が付いて、さすが他の部屋との格の違いを感じさせる部屋であった。ただ駅長の説明によると、天皇・皇后がこの部屋にとどまるのはほんの1分程度だということだ。この部屋の前からエレベーターで下に降りると、ホームに向かう赤絨毯の敷いた皇室専用の地下通路が50メートルほど続き、その先にエスカレーターと階段が見える。
美智子上皇后はエスカレーターを嫌い、上皇に手を取ってもらって階段を上がるのを常としているとのことだ。

◆東京ドームのスイートルーム
また一般の人が容易に入れないところといえば、後楽園東京ドームのスイートルームも挙げることができよう。
東京ドームの3F、バックネット裏の後方にそれはある。バックネットの真裏には貴賓室とナベツネ専用の部屋があり、その左右に10数室並んでいる。
部屋ごとに大企業が年間契約で借りているようで、そこの日テレ専用室に数回招待されたことがある。部屋は12畳ほどの広さがあり、応接セット、大型テレビなどが備わっており、壁一面がガラス張りで球場内が一目で見渡せるようになっている。
さらにその外はベランダ風になっていて、階段状に椅子が設置されていて、一般客と同じ空気の中で野球を楽しむ仕掛けとなっている。
そして豪華な食事が出され、酒も飲み放題で、係のホステスがすべて接待してくれる。
あるときは、将棋の米長邦雄夫妻とわれわれ夫婦が招待され、元巨人投手の江川卓の解説を耳元で聴きながら野球を観戦したという豪華な接待を受けたこともある。

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