JRRCマガジンNo.261 塞翁記-私の自叙伝32

半田正夫

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JRRCマガジン  No.261 2021/12/23
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※マガジンは読者登録の方と契約者、関係者の方にお送りしています
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◆今回の内容
【1】半田正夫弁護士の塞翁記 私の自叙伝32
【2】1月25日開催 大阪工業大学共催 著作権講座(オンライン)のお知らせ
【3】日経紙等利用許諾の申込みについて
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みなさまこんにちは。
今年最後のメルマガのコラムは半田先生の私の自叙伝です。
前回までのコラムはこちらから↓
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ところで、今年より当センターでは日経紙等の管理が始まりました。
日経紙の管理開始により、日本の五大紙全てがJRRCの管理となりました。
五大紙5社および地方紙60社、通信社3社と専門新聞社35社の管理も行っています。

新聞記事等の著作物を複製し利用する場合は、基本的には許諾が必要とされています。
当センター管理著作物については、当センターと利用契約を結ぶことで
使用料規程の範囲において複製し利用することができます。
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◆◇◆半田正夫弁護士の塞翁記━━━━━━
             -私の自叙伝32
     第19章 得難い経験①     
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80有余年にも及ぶ人生の中にあって非常に多くの経験をさせられてきたが、ふつうの人には味わうことのできない体験もいくつかしてきた。
それを順不同で以下に紹介したい。なお、以下に述べるもののなかには、すでに本稿で紹介済みのものも含まれているかもしれないが、それは私が強烈な印象を受けた事例であると了解して寛恕していただければ幸いである。

◆皇居参内
皇居における新春の行事に「講書始の儀」と「歌会始の儀」とがあるが、そのいずれにも参加できたことがまず挙げられる。
両行事とも天皇、皇后はじめ皇族全員が出席する大事な宮中行事であって、これに各界の代表者若干名の陪席が許されることになっていた。
2001年の「講書始の儀」と2003年の「歌会始の儀」に私は日本私立大学連盟を代表して同志社大学の八田学長とともに招待されたのである。
儀式はいずれも皇居内の正殿「松の間」で行われる。ふつう皇居に参内しても、「春秋の間」や「石橋の間」などに入ることはあっても、正殿「松の間」に入ることはまずないといってよい。それだけ重要な儀式のときにかぎり使用される部屋である。

部屋の面積は370平米(111.9坪)、ケヤキ材の板が敷き詰められており、壁には若松文様の浮き織りの裂地が張ってあるだけの簡素な部屋である。
テレビカメラは室内には入れず、隣室の窓越しに室内を映すことができる仕組みとなっている。われわれ陪席者が室内に案内されて所定の椅子に着くと、侍従を先導として天皇・皇后はじめ皇族が横手から入ってくる。「講書始の儀」のときは私のすぐ斜め前1メートルほどのところに雅子皇太子妃(当時)の姿が見えるという好位置のところに私の席があった。

式典の模様は退屈なので省略することにしよう。式典が終わって皇族すべてが退出したあと、陪席者のわれわれは別室に通される。そこには長いテーブルが列をなして並べられており、各自の席にしつらえた朱塗りの盆のうえには大きな皿に,かまぼこ、きんとん、田作り、黒豆の煮物などのおせち料理が盛られており、横には土産用の箱(のちにそれがどら焼きであることを知る)と、その上に紙ナプキンが置かれているのが目に入った。ところが、椅子はどこにも置かれていないのである。酒は職員が注いでくれるので立ったまま飲むことができるが、黒豆などを立ったまま食べるのは至難の業である。どうしたものかと思案していたら、周りでガサガサと音がする。見ると、陪席者はビニールの袋を取り出してそれに詰めているではないか。
そこで「天皇陛下から下賜されたものは自宅に持って帰って家族とともに食べるべきで、ここで食べてはいけないのだ」と合点がいったのであるが、そのような慣例があるなどということは露知らない私としてはもちろん袋の持ち合わせはなく、途方に暮れたのである。だが、よくみると、卓上の紙ナプキンの下にビニールの袋が置かれているではないか。ホッとしてこれに詰め込むが、袋は1枚しかないので、おせち料理をすべてこの中に入れなければならない。
詰め込んで上をギュッとしばると、なんのことはない。生ごみ風になってしまうのである。この作業を黙々となし終えた陪席者は、礼装のまま、この「生ごみ」を持って静々と退席するという仕組みであったのである。

◆ある大衆酒場での出来事
青学に奉職して5年ほど経過したころ、法学部の教授会終了後に親しい教授たち5~6人と連れだって渋谷の飲み屋街に行くのを通例としていたが、その日は、渋谷のセンター街に入ってしばらく歩いたところにある大衆酒場に入った。
鍋物を食わせる場所で、板敷きの大広間に5~6人で1卓を囲む形の座卓が20個ほど置かれていた。そのひとつにわれわれは場所を確保して、鍋物を食べ、酒を飲んでいた。しばらくして、店内がほぼ満杯になったころ、隣の卓を囲んでいたサラリーマン風の若者が一斉に立ち上がって、「白雲なびく駿河台~♪」と明大の校歌を合唱し始めたのである。
その蛮声の響きに圧倒されて店内はみな会話を中断し、シラケた雰囲気がただよったのはいうまでもない。
高尚な?議論をしていたわれわれも話の腰を折られて面白くない気分になった。酔った私は、突如立ち上がり、「おーい、みんな。カレソンを歌おうじゃないか。」と呼びかけた。
カレソンとは、青学のカレッジソングのことである。私の仲間もかなり酔っていて明大の校歌の合唱を小癪なものと思っていたとみえ、「おう、やろう」といって全員が立ち上がり、「紫匂う西郊の森~♪」とがなりはじめたのである。
すると、どうであろう。あちらのテーブルからも、こちらのテーブルからも、これに和する歌声が聞こえ始めたではないか。
私は立って歌うように促したところ、結局は20名ほどの客がカレソンの合唱に加わったのである。この声に押され,明大のグループは完全に黙秘せざるをえなくなったのである。歌い終わったわれわれは,互いに相手の卓に行って握手したり、酒を差し入れたり、またそのお返しがあったりと、青学関係者同士で大いに盛り上がったのである。
渋谷にはこんなに青学の卒業生や学生がいるのだと実感したのと同時に、映画「カサブランカ」のなかで、ハンフリー・ボガード扮するリックの店で,ドイツの将校の一団が「ラインの守り」というドイツ愛国歌を合唱しはじめたところ、革命レジスタンスの一員であるラズロの促しで楽団がフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を演奏しはじめ、これに合わせて店内にいたフランス人が合唱してドイツ人の歌を圧倒するという感動的な場面あったのを思い出し、これと同じようなことが実際におこったのだと実感したのである。

われわれが店を出るとき、大きな拍手で送り出されたことを今でも忘れることはできない。

◆「天まで呑もう」キャンペーン
青学大教授になって数年経ったある日。某広告会社から電話が入った。キリンビールが北海道にビール工場を設置してビールを道内でも販売することになった。
ついては「天まで呑もう」というキャッチコピーで大々的に宣伝しようと企画を立てているのだが、参加してもらえないかという申し出であった。
面白そうなので乗ることにした。新橋の北海道料理を食べさせる店が集合の場所であった。
北海道出身の著名な漫画家であるおおば比呂司が司会者として参加し、私のほかK(三菱銀行勤務)、N(公認会計士)の3人が座談会の出席者で、いずれも北大文類同期の面々である。
巧妙なおおば氏の誘導によってわれわれは大いに語り、かつ飲んだ。この模様はやがて北海道新聞に「北大出身大いに語る」と題して3段抜きの大きな広告として掲載され、われわれの写真も大きく載ったのである。
その後しばらくして、道内に住む北大同期の友人から手紙が来た。それによると、北海道では,日本酒は北の誉か千歳鶴、ウイスキーならばニッカ、ビールならばサッポロと決まっているのに、お前はサッポロを売ってキリンにしたのか、裏切り者、売国奴めと、なかばホンネのような揶揄の文句で埋められていたのである。これには閉口した。
うっかり北海道には戻れないぞと思ったほどである。でも、いまではアサヒ、サントリーなど道産子ではないビールも北海道ではよく飲まれているようで、心配は杞憂に終わったのである。

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【2】2022年1月25日開催 大阪工業大学共催 著作権講座(オンライン)のお知らせ
2021年度最後の著作権講座です。参加は事前登録制です。
内容は初級レベルの講義と利用者が関心をお持ちと思われる2つのトピックスを予定しています。

詳細が決まりましたら、↓当センターHPにてお知らせします。
⇒https://jrrc.or.jp/educational/kouza/

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【3】日経紙等利用許諾の申込みについて
ご要望が強かった日本経済新聞社発行の新聞「日本経済新聞」「日経産業新聞」
「日経MJ」および「日経ヴェリタス」(これらを「日経紙等」といいます。)
2021年8月10日より管理を開始しました。

詳しくはこちら↓よりご確認いただけます。
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