知恵袋
小説の脚本集を出版する予定だが、脚本家の許諾は得ているが小説家はとっていない。
- 私の出版社では現代作家の小説の脚本集を発売したいと考えていますが、脚本家の許諾はすべて取りました。原作者である小説家の許諾は取ってないのですが、何か問題はあるでしょうか(二次的著作物)
- 本件での脚本は、小説をもとにして作成したものですので、当該小説を原著作物とする二次的著作物に該当します。
原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関して、二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を有します(著作権法28条)。したがって、小説の著作者である小説家は、脚本の複製や譲渡についても著作権を有しますので、脚本集の発売には、その複製権および譲渡権について、脚本家のみならず、小説家の許諾を取る必要があります。
回答者 山本隆司 弁護士 (インフォテック法律事務所)
※回答内容は本ケースにおける一例を掲載しています。