当サイトは主に本、雑誌、新聞等著作物の複写(コピー)に関する問い合わせ先をご案内しています

メニューを表示

知恵袋

美術館で、某作家の美術展を予定している。その際、展示品の写真と解説文を記載した簡単なパンフレットを配布したい。所有者の了解は得ている。

私の企業では美術館を運営していますが、当該美術館である現代作家の美術展の計画をしています。その際観覧者のために展示品の写真と解説文が記載された簡単なパンフレットを配布したいのですが、権利者の許諾は必要でしょうか。なお、所有者の了解は得ております。【47条】
美術館に展示される美術品は著作物であり、これを複製する行為は権利者の複製権(著作権法21条)に抵触しますが、美術館が、観覧者のために著作物の解説をすることを目的とする小冊子に、当該著作物の複製物を掲載する場合には、複製権が制限されています(47条)。
「小冊子」はあくまで「解説又は紹介することを目的とする」ものであることから、裁判例では、著作物の解説が主体となっているか、または著作物に関する資料的要素が多いことが必要とされています(東京地裁平成元年10月6日判決)。本件においても、パンフレットに掲載される写真の大きさ等からして、美術品の解説や紹介が目的となっていれば「小冊子」に該当し、複製権が制限され、権利者の許諾が不要です。しかし、写真が大きく掲載されるなど、実質的に観賞用の豪華本や画集といえるようなものは、「小冊子」には該当せず、複製権が制限されませんので、権利者の許諾が必要となります。

回答者  山本隆司 弁護士 (インフォテック法律事務所)
※回答内容は本ケースにおける一例を掲載しています。
ページの先頭へ