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JRRCマガジン
2014/1/21配信 第19号
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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆INDEX◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
*半田正夫の著作権の泉 第7回 「条文表記についての疑念(3)」
*JRRC☆TIMES 「JRRCなうでしょ」
*山本隆司弁護士の著作権談義 第16回 「公衆伝達権」
*読者の声 読者の声の投稿と掲載
*インフォメーション ご意見・ご要望、各種手続き
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皆様、こんにちは =*^-^*=
日本複製権センター メールマガジン担当者です。
新年あけましておめでとうございます。
今年の元旦は17年ぶりの気温15度を記録し、三が日は暖かく穏やかなお正月となり
ました。
本年もどうぞJRRCメルマガをよろしくお願い申し上げます。
それでは本年最初のメルマガ第19号をお届け致します。
●今後取り上げるテーマについてリクエストがございましたら、
ご意見・ご要望など ⇒ https://fofa.jp/jrrc/a.p/112/
にて、ご投稿をお願いいたします。
お待ちしてます。
●ご了解ください
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ョナルフォントで表示すると改行の位置が不揃いになります。
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半田正夫の著作権の泉 第7回
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★はじめに
「半田正夫の著作権の泉」の連載第7回目です。
第7回は、「条文表記についての疑念(3)」です。
★条文の表記についての疑念の3つ目は、頒布権と譲渡権、貸与権が、それぞれ別々
に規定されていることである。
著作権法は2条1項19号において「頒布」の定義を置き、「有償であるか又は無償である
かを問わず、複製物を公衆に譲渡し、又は貸与することをいい、映画の著作物又は映
画の著作物において複製されている著作物にあっては、これらの著作物を公衆に提示
することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡し、又は貸与することを含むも
のとする」と規定している。
このうち前段の表現からするならば、頒布には譲渡も貸与も含まれるのであるから、譲
渡権を認めればあえてこれと別立てで譲渡権と貸与権を認める必要はないのではない
かという疑念である。
もっとも、現行著作権法の立法の経緯を考えると、これら3つの権利が別立てになったと
いうことも理解できないわけではない。
仄聞するところによると、
立法当時、立法者は頒布権をすべての著作物に認めようと考えていたもようであるが、
そうなると古本屋は古書の売り買いのたびごとに権利者の許諾が必要となり、貸本屋の
商売も、さらには図書館の本の貸し出しもすべて権利者の許諾がなければ行えないとい
うことになってしまい、いままで許諾不要であったこれら業界に与える影響はきわめて大
きいといわざるをえない。
そこで当然のことながら、これら業界からの猛烈な抵抗を受けることとなった。
そこで立法者は頒布権の新設の見送りを考えたようであるが、今度は映画業界から強
い設置の要望が提起された。当時の映画の流通形態は配給という独特の方法をとって
いたからである。
配給というのは、予め全国を地域別に数個のブロックに分けておき、映画が製作される
と1本の原画から複数の複製物(プリント)が作られ、この複製物をこれらブロックの拠点
都市に1本ずつ貸与されて封切上映され、それが終わると次の都市の映画館に回され
て上映されるという仕方でブロック内を転々一巡するという流通形態(貸与という形式が
一般であるが、まれには期限付きの譲渡という形式がとられることもあった)である。
この配給という特殊な流通形態に対応する権利が頒布権であったがために、映画製作
者側が強くこの権利の新設を主張し、これが認められた結果、映画著作物についての
み頒布権を承認することになったのである。
したがって、この時点では譲渡権と貸与権という権利はまったく考慮の外に置かれてい
たのである。
ところが、「頒布」概念の一部をなす「貸与」については、貸しレコード店の登場によって
映画以外の著作物についても著作者に経済的利益を保障する必要が生じたため、昭和
59年の著作権法一部改正によって貸与権が認められるにいたった。
残る「譲渡」についてはしばらく放置されていたが、諸外国が著作物の譲渡についても著
作者の権利が及ぶ(ただし、第一譲渡についてのみで、第二譲渡については権利が消
尽して及ばない)とする考え方を採用し、WIPO著作権条約に加入するにはこの権利を認
めることが必要であったため、平成11年の著作権法改正によって、映画以外の著作物
について譲渡権が認められるにいたっている。
映画著作物について譲渡権と貸与権が認められていないのは、譲渡権と貸与権を包含
した頒布権が映画にすでに認められていたからである。
このように時系列的にみてくると、
頒布権、譲渡権、貸与権という3本立ての規定の仕方もやむを得なかったといえるのか
もしれない。
だがこのような規定の仕方はいたずらに煩雑さを増すだけであり、すべての著作物につ
いて頒布権を承認する趣旨の1本の規定で処理するだけで足りたのではないかと思わ
れる。
たしかに映画以外の著作物については2回目以降の譲渡について譲渡権の消尽が定
められており、この点で消尽のない映画著作物の頒布権との相違がみられるが、これ
については、すべての著作物について頒布権を認めるとしながらも、「映画著作物以外
の著作物については2回目以降の譲渡にこの権利は及ばない」という趣旨の但し書きを
置くだけで対処できたのではなかったかと思われる。
条文の整理統合が必要だと思われる箇所はほかにもある。
たとえば、編集著作物とデータベース著作物の並存についてである。
データベース著作物は昭和61年の法改正によって追加されたものであるが、編集著作
物は素材の選択または配列に創作性が認められるのに対し、データベースは単なる素
材の選択・配列にとどまらないとして、編集著作物とは別立てで規定が設けられたので
あるが、両者かぶることも多く、判例をみても同一著作物を編集著作物として捉えるも
のがあったり、データベース著作物として捉えるものがあったり、さまざまである。
ほかの国の立法例をみても編集著作物のなかにデータベースを取り込んでいるケース
もある。
別建てにすることによって、特別の効果が発生するのであれば格別、そうでもない場合
は両者統合して合わせて1本としたほうが、条文構成上、すっきりするといえるのではな
かろうか。
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JRRC☆TIMES
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☆★☆JRRCなうでしょ☆★☆
★こんにちは。
JRRC事務局長の稲田です。
2014年最初のJRRCなうでしょですが、今年は寒い冬となりましたね。
東北・北海道地方では大雪となっているところもあるようですが、春が本当に待ち遠しく
感じられる今日この頃です。
それでは今月号の最初の報告です。
先月号で、まだ契約をされていない官庁、地方自治体、私立大学等を対象にDMを発送
し、改めて契約のお願いをいたしましたと報告しましたが、おかげさまで多くの未契約
者からお問い合わせをいただいており、実際に契約を締結するケースも出てきています。
地道な活動ではありますが、著作権についての啓発活動の一環として、センターにとっ
ては大切な事業ですので今後も引き続き継続して行いたいと思います。
次は、お待たせしました!
第4回JRRC著作権セミナーのお知らせです。
今回は、講師に文化庁著作権課長の森様と弁護士の石新様をお迎えし、2月25日(火)
1330-1600の予定でいつもの有楽町朝日ホールで開催いたします。
昨年は文化庁の審議会で電子出版権についての議論がなされ、今年の法改正も予定
されているところから、森著作権課長のご講演は大いに注目されます。
また、石新弁護士からは、デジタル時代の著作権について実務的な観点からご講演し
ていただきます。
優先申込受付等詳細の募集要項につきましては、今週中にご案内いたしますのでもう
しばらくお待ちください。
次は前回お約束しましたイスタンブール事情報告第2回目で、今回はイスタンブール・タ
クシー事情その2です。
-イスタンブール・タクシー事情その2-
イスタンブールのタクシー運転手は、英語が通じない方が多いので、行き先を告げる時
は行き先と住所がトルコ語で書かれた紙を渡して確認してから乗車することが大事です。
会議場のあるホテルへは車で10分くらいかかりますが、ある日いつものように運転手に
紙を渡してオーケーと言われたので乗ったところ、10分を過ぎても着かないし、どうも周
りの景色がいつもと違うので変だなと思っていたら、赤信号で止まった際に、隣のレーン
に止まっていたタクシーの運転手に向かって窓を開け、ホテル名が書いてある紙を渡し、
トルコ語で何やらわめいていました。場所は大通りのど真ん中です
(以下二人のやり取りを私が想像に任せて勝手に翻訳すると)
運転手「おい、お前この紙に書いてあるホテルの場所知ってるか?」
隣の運転手 紙をじっと見て「お前、これって全然方角が違うんじゃないの?」「どこ走っ
てんだよ。」
運転手「えっ、この辺じゃないのか?」「・・・って書いてあるからてっきりこの辺のホテル
だとばかり思ってたんだけど見つからないんだ。」
隣の運転手「これは・・通りにある・・ホテルだろう。ここにあるわけないじゃないか。ここ
からだと・・通りに出て北に向かって・・通りに出たら左方向に走ってすぐだ
よ。」
運転手「なーんだ、そうだったのか。わかった。悪かったな。バイバイ。」
以上約2,3分の会話でしたが、信号はとっくに青に変わっていたにもかかわらず、道路
中央の2レーンはタクシー運転手が会話中のため、ずっと止まったままでした。
日本だったらすぐに後ろの車がクラクションを鳴らして注意するところですが、なぜかイ
スタンブールの車の運転手は信号が青になっても決してブーブー鳴らさず、静かに前の
車が動きだすのをじっと待っているのでした。
どうやらこのようなことは、イスタンブールでは日常茶飯事のようです。
以上今月のJRRCなうでしょでした。
次号ではイスタンブール事情その3-美術館入場方法をご紹介したいと思います。
以上
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山本隆司弁護士の著作権談義 第16回
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★はじめに
山本弁護士の著作権談義の第16回目です。
今回は、「公衆伝達権」です。
★文化庁は、文化審議会著作権分科会の法制・基本問題小委員会に、「著作物等の適
切な保護と利用・流通に関するワーキングチーム」を設置し、「クラウドサービス等と著
作権」と「クリエーターへの適切な対価還元」をテーマに昨年12月から検討を開始しまし
た。
わが国は、クラウドサービスに対応した著作権法制としてアクセス・コントロールの保護
を取り残しています。アクセス・コントロールの保護は、クラウドサービスに対応した著作
権法制という技術的な理由のほかに、WIPO著作権条約の誠実な履行という法的な理
由からも、必要だと思います。ワーキングチームでこの問題も検討される必要がありま
す。
日本は、著作権法による技術的手段の保護にはずっと消極的です。2012年の法改正ま
で、日本はコピーコントロールしか保護していませんでした。
法改正によりアクセス・コントロールを保護することになりましたが、暗号化の技術に限
定しています。というのは、日本では、その11条が「権利の行使に関連して」用いられる
技術的手段の保護を義務づけていますが、アクセス・コントロールの保護する「アクセス
権」は著作権の支分権に挙げられていないことを理由に、アクセス・コントロールの保護
に反対しています。
しかし、技術的手段の保護を義務づけるWIPO著作権条約11条は技術的手段の種類を
限定しておらず、欧米でも包括規定方式を採っています。
WIPO事務局次長としてWIPO著作権条約をとりまとめたフィッチョール氏が、WIPO著作
権条約11条はアクセス・コントロールの保護を定めていると主張されています。
最近になって、その論拠がやっと分かったように思います。
WIPO著作権条約8条は、
公衆伝達権として、「……文学的及び美術的著作物の著作者は、その著作物について、
有線又は無線の方法による公衆への伝達(公衆のそれぞれが選択する場所及び時期
において著作物の使用が可能となるような状態に当該著作物を置くことを含む。)を許
諾する排他的権利を享有する。」と、和訳されています。
この和訳では、公衆伝達権は著作物がサーバーから公衆に配信される送信形式(著作
物の使用が公衆の手元において行われる形式)しか読めません。
しかし、括弧書きの部分の英文は、
「including the making available to the public of their works in such a way that
members of the public may access these works from a place and at a time individually
chosen by them」
です。
したがって、括弧内の正確な和訳は「公衆のそれぞれが選択する場所から及び時期に
おいて著作物の使用が可能となるような状態に当該著作物を置くことを含む。」となりま
す。
英文では、公衆伝達権には、公衆がサーバーにアクセスしてサーバーにて著作物を使
用する非送信形式(オンラインゲームやデータベースやASPサービスのように著作物が
利用者に送られてこず、その使用がサーバーにおいて行われる形式)も含まれることが
明記されています。
この形式に使用される技術的手段は、まさにアクセス・コントロールであり、認証という種
類の技術です。
つまり、欧米各国は、WIPO著作権条約8条の公衆伝達権にいわゆる「アクセス権」を含
めており、それを保護する技術的手段としてアクセス・コントロールも当然に保護してい
るのです。
たとえば、
イギリス著作権法20条2項は、
「(b) the making available to the public of the work by electronic transmission in such a
way that members of the public may access it from a place and at a time individually
chosen by them」
が公衆伝達権に含まれると規定しています。
また、
ドイツ著作権法19a条は、
「Das Recht der oeffentlichen Zugaenglichmachung ist das Recht, das Werk
drahtgebunden oder drahtlos der Oeffentlichkeit in einer Weise zugaenglich zu machen,
dass es Mitgliedern der Oeffentlichkeit von Orten und zu Zeiten ihrer Wahl zugaenglich
ist.」と規定しています。
WIPO著作権条約8条の誤訳は、誰かが意図して行ったものではないと思いますが、わ
が国の立法行為が何時までも誤訳に振り回されるのを何とか止めることはできないの
でしょうか。
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読者の声
『読者の声』の投稿と紹介
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このコーナーは、「JRRCマガジン」が皆さんにとって便利な、役に立つ情報収集ツール
としてご活用していただけるよう、ご意見・ご感想をお寄せいただき、その中から選出し
てご紹介するコーナーです。
★引き続きテーマを設けてます。
「著作権はてな?」
です。
著作権の基礎的な疑問を受け付けています。
★投稿先はこちら
⇒ https://fofa.jp/jrrc/a.p/111/
掲載された方には粗品を進呈いたします。
なお記事として掲載する場合は、事前にご連絡しご了解を頂くように致します。
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インフォメーション
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あとがき
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最後までJRRCメールマガジン2014年1月号をご覧いただきまして、有難うございます。
さあ、2014年の幕開けです。
小職は、年頭に人生初のバリウム体験をいたしました。
その味は、甘ったるく、懐かしいようなものでした(おいしいには程遠い・・・)。
そして360度回転のレントゲン撮影。
「もう1回右向いて。」「いやもうちょっと頭を下に。」「ん~やり直しましょう。」・・・。
2,3日は本調子といきませんでした。
しかし、聞くところによると胃カメラも辛いらしい。
そして、このバリウム検査で引っかかるとステージが上がり、胃カメラ検査となるらしい。
そこで、小職は心に誓いました。
「バリウムはまだ耐えられる。胃カメラステージへは絶対行かないもん!!!」
読者の皆様も、お体をご自愛下さいませ。(A.U)
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■お問合せ窓口
公益社団法人日本複製権センター(JRRC)
ホームページの「お問合せ」ページからアクセスしてください。
⇒ http://www.jrrc.or.jp/inquiry/
■編集責任者
JRRC副理事長 瀬尾 太一
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