JRRCマガジン第65号(集中管理の歴史<日本編2>)

川瀬真

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   JRRCマガジン No.65 

川瀬先生の著作権よもやま話
著作権等の集中管理
第4回「集中管理の歴史<日本編2>」
 
                               2016/7/21配信
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皆様、こんにちは。
JRRCメルマガ担当です。

道端の主役が紫陽花から向日葵へと変わりつつある時季となりました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今夏は、太平洋に発生した巨大なエルニーニョの発生や地球温暖化の影響等を原因と
するこれまでにない暑い夏だそうです。
「暑くなければ夏じゃない」との声も聞こえてきそうな感じですが、
いささか参ってしまい、涼を求め彷徨っている今日この頃です。

それでは、
川瀬先生の著作権よもやま話
第4回「集中管理の歴史<日本編2>」
をお送りいたします。

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川瀬先生の著作権よもやま話 
著作権等の集中管理 
第4回「集中管理の歴史<日本編2>」

 前回は、現在集中管理事業を規制している著作権等管理事業法の前身の法律である
仲介業務法の成立経緯と法律の制定目的を説明しましたが、今回は、仲介業務法の内
容や制定後の状況について概観することとします。
 仲介業務法の規制の方法は大きく分けると2つあります。それは、業務実施の許可制
と使用料の認可制です。
 まず、業務実施の許可制です。現行法制における許可制というのは、一般に法律に許
可基準が定められており、その許可基準に該当するかどうかの判断について、行政庁は
一定の裁量権を持つものの、当該許可基準に反する行政処分(許可)はできません。
しかしながら、仲介業務法は戦前の法律でもあり、許可基準は一切定められていません
でした。立法時の政府の資料を見ると、許可するかどうかは一切主務大臣(当時は内務
大臣、廃止時は文化庁長官)の判断に任されていること、許可は1業種1団体が望まし
いことなどが説明されているに過ぎず、行政庁の権限が非常に強い法律であったといえ
ます。
 ただし、規制の対象は全ての著作物ではなく、規制の必要性を勘案しつつ、その範囲
は著作物の種類ごとに勅令(現在の政令のこと)で定めることとしていました。具体的に
は、音楽(歌詞・楽曲)、小説及び脚本の3種類です。
 なお、仲介業務法が廃止される2001(平成13)年までに許可された団体は、法制定時
に日本音楽著作権協会(JASRAC)(音楽)と日本文芸著作権保護同盟(現在は日本文
藝家協会が業務を引継ぎ実施)(文芸)が、また、戦後に日本脚本家連盟(脚本)と日本
シナリオ作家協会(脚本)の合計4団体です。ただし、これら以外にも、例えば美術、写真、
映画、実演、レコード等の規制対象外の著作物等を取扱う集中管理団体もいくつか存在
していました。
 次に使用料の認可制です。1業種1団体すなわち分野ごとに独占的な団体を認めるこ
とになれば、当該団体から許諾を受けるしか適法利用の方法がない利用者は、不当な
使用料の値上げ要求にさらされる可能性があります。この制度は、このような弊害を除
き、円満な利用秩序を形成するために設けられたものです。法律上の手続きとしては、
仲介業務団体から利用形態ごとの使用料を定めた使用料規程の認可申請が行われる
と、その内容が官報に公告され、利用者団体はその内容について意見を述べることが
できます。文化庁はその意見を付して、文化審議会に諮問をし、審議結果の答申を得て、
処分をすることになります。
 ただし、法律上の手続きはこのようになっていますが、適正な使用料とはいくらかを決
めることは非常に難しいわけです。特に新しい利用に対する使用料の額となると、目安
になる基準等がない場合も多いと思います。これは一般の商品とは違い、著作物には原
価に相当するものがないためです。
 したがって、仲介業務団体が希望する金額を使用料規程として認可申請し、それに不
満な利用者団体が異論を述べても、文化庁は難しい判断を迫られることになります。
 そこで、文化庁では、長い間、仲介業務団体は認可申請に当たって事前に利用者団
体と十分協議をし、両者が合意又はほぼ合意した案で申請するように指導をしてきまし
た。これは、適正な使用料の額を決めるためには、両者が時間をかけて徹底的に話し
合いをし、どの程度の使用料であれば業界として負担可能かを探るしか、使用料の適正
化を図る方法がないと判断されたからです。このような法律の運用により、仲介業務団
体にとっては、不本意な交渉結果に終わることが多かったと思いますが、わが国におけ
る著作物の利用秩序はおおむね円満に保たれていました。
 このように仲介業務法は、政府の強い関与を認めることにより、わが国における集中
管理事業の秩序形成に貢献し、集中管理団体の設立及び育成という目的をほぼ達成し
ました。
 しかしながら、日本社会が成熟するとともに、政府の法的規制のあり方も緩和の方向
に向かいます。その流れの中で、集中管理に関する規制も次のステージに行くことにな
りました。次回は、現在施行されている著作権等管理事業法の内容を解説します。

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