JRRCマガジン第17号(条文表記についての疑念(1)、大学のコース・パック)

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   JRRCマガジン
                       2013/11/21配信 第17号
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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆INDEX◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

*半田正夫の著作権の泉        第5回    「条文表記についての疑念(1)」
*JRRC☆TIMES   
                        「無料講習会実施報告」
                        「JRRCなうでしょ」
*山本隆司弁護士の著作権談義   第14回   「大学のコース・パック」
*読者の声                 読者の声の投稿と掲載
*インフォメーション            ご意見・ご要望、各種手続き

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皆様、こんにちは =*^-^*=
日本複製権センター メールマガジン担当者です。

いつもご愛読いただき、有難うございます。

さて、本年度4月より開始しております

★無料講習会講師派遣サービス

企業コンプライアンス意識の高まりを見せる昨今、皆様の一助になればとの思いより実
施を開始したところ、多くの企業様より問合せ及び依頼を頂戴し、お陰様で16回開催
に至りました。

まだ、若干の余裕がございます。ある程度、貴社のご要望に合わせたカスタマイズも可
能です。
まずはお問い合わせください。

私どもの力不足でJRRCマガジンの読者はまだ少ないのが実情です。
貴社の社内教育ご担当者様にもこのサービスをお知らせいただければ幸いです。

サービス内容につきましてはこちらをご覧ください。

  ▼JRRCホームページ「お知らせ」
   http://www.jrrc.or.jp/notices/20130401-koushuukai.pdf

それでは第17号をお届け致します。

●今後取り上げるテーマについてリクエストがございましたら、
   ご意見・ご要望など ⇒ https://fofa.jp/jrrc/a.p/112/
 にて、ご投稿をお願いいたします。
  お待ちしてます。

●ご了解ください
 このメルマガは等倍フォントで作成していますので、MSPゴシックのようなプロポーシ
ョナルフォントで表示すると改行の位置が不揃いになります。

●メルマガ配信ご不要の方
 今後メルマガを受け取りたくない方は、お手数ですが、
 5.インフォメーション→「配信停止」のURL
 をクリックして配信停止の手続きをお願い申し上げます。

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   半田正夫の著作権の泉 第5回
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★はじめに
「半田正夫の著作権の泉」の連載第5回目です。
 

    ▼半田正夫の経歴、著作物等
     ⇒ http://www.jrrc.or.jp/jrrc/message.html

   
第5回は、「条文表記についての疑念(1)」です。

★著作権に関する原稿を書いていると、時おり、条文の表記がはたしてこれでよいのだ
ろうかと疑問をもつことがある。

これから数回、このような事例を紹介し、大方のご意見を伺うことができればと思う。

まずは、以前どこかに書いた記憶があるが、ここでふたたび提示することをお許しいた
だきたい。

それは、著作権法の21条から28条の規定のすべてが「著作者は・・・・する権利を専有
する」となっていて、「著作権者は・・・する権利を専有する」という表現になっていないこ
とである。

わが国では著作権の成立に無方式主義を採っているから、著作物の成立とともに著作
者は著作権者となる。つまり著作者と著作権者とはイコールであるから、著作権者と書
くべきところを著作者と書いたところで、ことさら目くじら立てる問題ではないといえるか
もしれない。

しかし、著作者と著作権者とが分離する場合がある。
著作権の譲渡の場合がその典型であるが、相続の場合もあろう。この場合に著作権を
取得したものの、著作者ではないことから21条以下の権利を取得できないと読まれてし
まうことにはならないだろうか。もっともこの場合には「著作者」を「著作権者」と読み替え
て適用すればよいということで一応の決着はつく。

だが、映画著作物の場合はそうはいかない。
著作権法29条は、映画著作物の著作者が映画製作者に対し当該映画著作物の製作
に参加することを約束しているときは、映画著作権は映画製作者に帰属する、と規定し
ている。
そしてこの規定は、映画の著作者に発生した著作権が映画製作者に法律上当然に移
転したものと解すべきではなく、最初から、すなわち著作物の成立と同時に、映画製作
者が原始的に著作権を取得する趣旨であると一般に解されており、また立法の過程を
調べてもそのように解さなければならない(拙稿「新法における映画著作権―立法経過
と検討―」<拙著『著作権法の現代的課題』所収)。

つまりこれは、著作者イコール著作権者の原則の例外として、著作者でない者が第一
次的に著作権者となることを示している。

そこで21条以下の規定をこの場合に機械的に適用すると、
著作者ではない映画製作者は、著作権を有するとはされながらも、その実質的内容を
なす複製権などの諸権利をもつことはできないという奇妙な結果となる。

もっとも、21条から28条までは「著作権に含まれる権利の種類」というタイトルによって
括られているから、このように解してはならないのはいうまでもないが、それならそれで
もっと簡明直截に、「著作者は・・・」とはせずに「著作権者は・・・」と表現するか、あるい
は旧著作権法にみられたように、「著作権は・・・の権利を包含す」と表現しておいたほう
が、誤解の生ずるおそれもなく、よかったのではなかろうか。

21条以下が「著作者は・・・」と表現したのは、おそらく「著作者の権利」の名のもとに著
作者人格権と併記させることによるという立法上の理由によるものと思われ、その苦心
もわからないではないが、気になるところといえよう。

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   JRRC☆TIMES
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☆★☆無料講習会講師派遣サービス☆★☆

前文でもご案内いたしました「派遣サービス」について、
今回は、第11回から第14回までをご報告いたします。

【第11回・第12回 2013年9月12日・17日
                    ~化学薬品関連会社(事業所)様向け~】

ご担当者様からの感想:「講習会を通して、所属員の認識が変わりました。より業務に
近いところの内容にて、今後も定期的にお願いしたいと考えております。」

<研究開発部門から知的財産部、また、新卒から上役の方まで、各回約120名の社員
様が受講されました。>

【第13回 2013年9月20日 ~化学薬品関連会社(研究所)様向け~】

<今回の講習会も、約100名近くの社員様が参加されました。参加者の中には、ご自
身のPCを持ち込み、講義の中で挙がった判例や著作権事件を調べてみるといった光景
も見受けられました。>

【第14回 2013年9月26日 ~NKSJひまわり生命保険株式会社様向け~】

ご担当者様からの感想:「講習会開催前に、個別に打合せの機会をいただきましたので、
弊社の各部署が確認したい事項を事前にお伝えすることができ、実効性の高い講習会
となりました。」

<参加者は、制作関連部署の方々を始めとする、日常著作権に関連する業務に携わる
社員様でした。皆様、積極的に普段疑問に思っていたことなどを質問なさっていました。
特に、制作現場における著作権の仕組みに納得といったご様子でした。>

講習会の様子は、こちら↓↓↓

        http://www.jrrc.or.jp/notices/detail/20131112152150.html

★無料講習会では、「企業人のための著作権基礎知識」をテーマに、著作権の正しい
知識の習得を目指し、著作権基礎知識についてより分かり易く、より実務に沿った内容
で当センター事務局長が講師を務めます。お申込みいただきました企業様と事前に打
ち合わせし、講義内容についてのご要望を伺い、レジュメ等を作成します。
当日は、打合せ内容に沿って、具体例を交えた講義と質疑応答を行います。

著作権に関する社員・職員講習会等をご検討のご担当者様、是非お問い合わせ下さい。
聞いてみるだけでも、Welcome(*^_^*)
お待ちしてます!!

お問合せは、こちら↓↓↓
         jrrc_info@jrrc.or.jp 

☆★☆JRRCなうでしょ☆★☆
 
★こんにちは。
JRRC事務局長の稲田です。

11月も半ばを過ぎ、いよいよ紅葉のシーズンですね。
日曜日に用事で小田原に出かけましたが、行きはともかく帰りは富士箱根方面からの帰
りの車で小田原厚木道路も東名も大混雑でした。でも富士山は雪に覆われていてとても
きれいでしたよ。これから急に寒くなる時期ですので読者の皆さんもどうか風邪を引かな
いよう元気にお過ごしください。

それでは今月号の最初の報告です。
去る10月28日(月)から10月31日(木)の間IFRROと呼ばれる国際著作権管理団体連合
の年次総会がトルコのイスタンブールで開催されました。
昨年は南米のアルゼンチンでしたが、今年はアジアとヨーロッパの接点であるトルコで
の開催です。
大会では世界における著作権の動向について様々な角度から、講演発表、パネルディ
スカッション等が行われ、また、各国の代表との意見交換も大事な目的となっています。
特に最近はデジタル著作物に関する許諾についての議論が高まり、実際に許諾を行っ
ている欧米各国の集中管理団体の事例発表に関心が集まりました。

JRRCとしても現在電子許諾に関する検討を進めているところであり、できるだけ早期に
利用者の皆さんへご案内したいと考えています。

次に、年間使用料の報告が未だされていないご契約者の皆様へのお願いです。

JRRCでは今年の8月より、HPからオンラインで年間使用料の報告を行うシステムを導入
し、ご利用いただいていますが、未だにHPにログインされていないご契約者様がいらっ
しゃいます。
恐れ入りますが、まだ年間使用料報告をされていないご契約者様に於かれましては、
至急ログインして入力いただけるようよろしくお願いいたします。

以上、今月の「JRRCなうでしょ」でした。

次号ではイスタンブールで出会った現地事情を2,3ご紹介したいと思います。

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   山本隆司弁護士の著作権談義  第14回
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★はじめに
山本弁護士の著作権談義の第14回目です。

    ▼山本弁護士の経歴、著作物等
     ⇒ http://www.itlaw.jp/yamamoto.html

今回は、「大学のコース・パック」です。

★米国のフェア・ユースの母体となったのは、英国の判例法ですが、英国の判例法はフ
ェア・ディーリングとして著作権法の個別規定に法制化されています。
英国の法制を承継したカナダやオーストラリアやインドでもフェア・ディーリングの規定を
持っています。

いまインドでは、デリー大学におけるコース・パックに対して提起された著作権侵害訴訟
において、フェア・ディーリングが争点となっています。

デリー大学は、民間の複写業者に施設を提供しています。
大学の先生は、講義で使用する論文や資料を学生に示しますが、複写業者はその論
文などを各文献から複写して講義ごとのコース・パックを作成し、学生に販売していまし
た。
オックスフォード大学出版ら当該文献の著作権者が、コース・パック作成が著作権侵害
に当たるとして複写業者とデリー大学を訴えました。

複写業者らは、インド著作権法52条(1)(h)に基づくフェア・ディーリングとして適法である
などと抗弁しています。
52条(1)(h)は、「言語,演劇,音楽または美術著作物を、(i)指導の過程で教師もしくは生
徒により、複製すること」が適法であると規定しています。
複写業者らは教師・生徒ができるのならそれを代行しても適法だという論理のようです。
裁判は継続中ですが、裁判所は、複写業者によるコース・パック作成を禁止する仮処分
命令を下しています。

日本で同じことが行われれば、複写業者によるコース・パック作成は違法と認定される
でしょう。学生が自分でコース・パック作成することは私的複製として適法でも、複写業
者の行為はその幇助にとどまらず自ら複製行為を行っているので、複写業者が複製の
直接行為者です。
先日の自炊裁判(東京地裁平成24年9月30日判決)でも、依頼者によって複写業者が書
籍を電子ファイル化する行為の主体は、依頼者個人ではなく複写業者自身であると認
定して、著作権法30条の適用を否定しています。

また、米国で同じことが行われれば、複写業者によるコース・パック作成はやはり違法
でしょう。
プリンストン大学出版事件(Princeton University Press v. Michigan Document Service,
Inc., 99 F.3d 1381 (6th Cir. 1996))では、ミシガン大学が舞台になった複写業者による
無断でのコース・パック作成がフェア・ユースに当たるかが争われました。
地裁は、フェア・ユースの成立を否定しました。
控裁は、一旦フェア・ユースの成立を肯定しましたが、その後大法廷(en banc)を開いて
再審理し、地裁の判断を支持して、フェア・ユースの成立を否定しました。

大法廷の判決は、
複製行為の主体は学生ではなく複写業者であることを認定した上で、
フェア・ユースの第1の要素について、
複写業者による複製は営利目的であるからソニーベータマックス判決の非商業的使用
の法理の適用はない、
他方、複製された著作物の鑑賞価値を利用するものなのでトランスフォーマティブ・ユー
スの法理の適用はないと認定しました。
また、フェア・ユースの第4の要素については、
他の複写業者の多くは著作権使用料を支払ってコース・パックを作成しており、すでに
そのライセンス市場が成立しているので、被告の行為により原告が著作権使用料相当
額の損害を現実に受けていると認定しました。

次回は、TPPで著作権法上問題となる論点についてお話ししたいと思います。

 以上
                                    

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   読者の声
            『読者の声』の投稿と紹介
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このコーナーは、「JRRCマガジン」が皆さんにとって便利な、役に立つ情報収集ツール
としてご活用していただけるよう、ご意見・ご感想をお寄せいただき、その中から選出し
てご紹介するコーナーです。
一方通行の発信であるため、皆様の反応が読めず、やや不安・・・(´・ω・`)。
                              
★そこで、今回はテーマを設けました。
「著作権はてな?」
です。
著作権の基礎的な疑問を受け付けたいと思います。

★投稿先はこちら
  ⇒ https://fofa.jp/jrrc/a.p/111/

掲載された方には粗品を進呈いたします。
なお記事として掲載する場合は、事前にご連絡しご了解を頂くように致します。

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   インフォメーション
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  ├ 読者登録      … https://fofa.jp/jrrc/a.p/109/
  ├ 配信停止      … https://fofa.jp/jrrc/b.p/109/
  └ ご意見・ご要望など … https://fofa.jp/jrrc/a.p/112/

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   あとがき
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一雨ごとに気温が下がり、先週は木枯らし一号も吹きスサびました。
秋もいよいよ深まりをみせ、一歩一歩冬へ近づいています。

この時期、私は着る物に困惑します。
寒がり症候群であるため、初秋から着込みます。
「真冬ど~すんの~!?」とよく言われるし、どおしよ~?とも毎年考えます。
が、今年もかなり着膨れようかと企んでいます(真夏日が多かった年は、冷え込み厳し
いらしいですよ)。

さて、紅葉が見頃のシーズンです。
数年前、京都嵐山でトロッコ電車に乗りながら、保津峡に沿った風光明媚な景色を見た
のが深く印象に残っています。
東京近郊にも紅葉スポットがたくさんあるみたいですね。

あたたかい恰好をし、過ぎ行く秋を身近な紅葉で楽しみたいと思います。(A.U)

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■お問合せ窓口
   公益社団法人日本複製権センター(JRRC)
     ホームページの「お問合せ」ページからアクセスしてください。
       ⇒ http://www.jrrc.or.jp/inquiry/

■編集責任者
   JRRC副理事長 瀬尾 太一   
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