JRRCマガジンNo.459 JRRC事務局だより 雑記帳 その1

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JRRCマガジン No.459   2026/3/5
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◆今回の内容
【1】JRRC事務局だより 雑記帳 その1
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皆さま、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

3月5日は「サンゴの日」
1996年に、自然環境や野生動物の保護活動を担う世界自然保護基金(WWF)によって制定されました。
日付は「サン(3)ゴ(5)=珊瑚」と読める語呂合わせと、サンゴの宝石であるコーラルが3月の誕生石として知られていることが由来だそうです。

さて今回は、当センター常務理事 丸山の「雑記帳 その1」をお届けいたします。

◆◇◆━【1】JRRC事務局だより━━━
雑記帳 その1
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  丸山 伸一
はじめまして。JRRCの常務理事を務めております丸山です。今月からメルマガの執筆メンバーに加えていただきました。オールドメディアと言われる新聞の業界に40数年いた経験から、主に日々の出来事、それを伝える新聞記事やテレビ、ネットニュースなどを題材に、身辺雑記ふうに綴ってお届けしたいと思います。

〇2月某日:雄弁なモノクロ写真
 JRRCの常務理事に就任して半年がたちました。全国紙の社会部記者や論説委員として32年、その後系列のスポーツ新聞社の役員を9年務め退任しましたが、ご縁あってJRRCへ。これまでのメディア業界では、実は近くにあったのにあまり意識しなかったのが著作権の世界でした。
 最初に虎ノ門のオフィスに出勤して、印象的だったのが会議室の壁にかかったモノクロ写真のパネルです。

写真家で、2021年6月からJRRCの理事長を務めた瀬尾太一氏が、この年の個展「下町往来1984-1988」(キヤノンギャラリー銀座)で展示したうちの4点です。個展さなかの7月、瀬尾氏は病気で亡くなりました。享年60。
 「柴又以外に住んだことがない。下町に暮らし、東京に親しみ、遷りゆく景観とともに数十年を過ごしてきた」という瀬尾氏が、下町の路地裏にカメラを向けた作品からは、「私は時代の傍観者なのだと思う。またそれは写真家を目指した宿命でもあるのだろう」(個展の挨拶文から)との思いが伝わって来ます。山積みの漫画古書やゲームカセットに囲まれ目を輝かす子どもたち。大荷物を背負った行商のおばちゃん…。どれもこれも、見る者に何かを語りかけてくるようです。
 私は展覧会めぐりが趣味でして、絵画展、写真展を中心にあちこちの美術館、ギャラリーを訪ね歩いています。とりわけ昭和から現代に至るまでの歴史的な出来事、世相などを写した写真展は必見で、戦後80年の昨年は、太平洋戦争関連の写真展を巡り歩きました。
 13年前、東京・千代田区のフォトサロンで、日本初の報道写真家集団を標榜する「日本工房」が、中国進出から太平洋戦争へと向かう1930年代を撮った写真展を見た時のことです。
 「新聞スタンド 1938年」とタイトルのある1枚の前で足が止まったのは、私が新聞業界の人間だったからでしょう。にぎやかな街頭で、大陸での戦況を伝える新聞各紙を売るスタンド、その前に立つ正装の紳士。世相を切り取った1枚と言うにはあまりにも不自然な情報の多さを感じ、徹底的に調べてみる決意をしたのです。それから足掛け2年、分かったことは。ご興味のある方はこちらのコラムをご笑覧ください。

〇2月某日:オリンピックの光と影
ミラノ・コルティナ冬季五輪が開幕しました。日本人選手の活躍、メダルラッシュにテレビの前で声援を送る毎日です。一方で、長年、報道する立場から大きなスポーツイベントを見てきた習性なのか、五輪が垣間見せる負の側面も気になってしまいます。
今回、スケルトン男子に出場予定だったウクライナ代表選手の「追悼ヘルメット」が問題となりました。ロシアによる侵略で犠牲になったウクライナ選手たちの写真をつけたヘルメットを着用しようとして、競技場内での政治的メッセージを禁じる五輪憲章と国際オリンピック委員会(IOC)の規定に抵触したとみなされました。
選手は結局、失格処分となり、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴したのですが棄却されました。2月14日付読売新聞の報道によると、ゼレンスキー大統領はSNSで「彼の行動を誇りに思う」と称賛し、勲章を授与する考えを表明したそうです。選手が手にしたかったのは勲章でしょうか、メダルだったでしょうか。
SNSなどで選手たちを誹謗中傷する投稿が後を絶たないことも報じられました。日本オリンピック委員会(JOC)は今回、イタリアと日本の双方で、AIも活用してネットを終日監視しています。この1か月で、中傷が含まれる約6万2000件の投稿を確認し、1055件の削除要請をしたそうです。大会直前に負傷して欠場になった選手がSNSで中傷を受ける被害もありました。
匿名の投稿が、アスリートの尊厳を傷つけ心に傷を負わせています。

〇2月某日:地方都市の美術館
旧知の美術館学芸員から、水戸市内で新たな美術館のオープンにこぎつけたとのお知らせと、収蔵品を紹介する図録が届きました。
https://tap-mito.jp/museum/about/index.html
美術館や博物館は、コロナ禍による入場者数の減少と、電気代などエネルギー価格の上昇で維持管理費が膨らんだことにより、多くが資金難に苦しんでいる状況です。地方の美術館の中には閉館するところも出てきました。
 そんな中、水戸のクヴェレ美術館は、ホールに改修された明治42年竣工の旧川崎銀行の隣に新設されました。創設者の福田三千男氏が収集した茨城や水戸にゆかりのある横山大観、中村彝、板谷波山といった作家の絵画や工芸作品、地元の芸術愛好者の故・吉田光男氏から寄贈されたコレクションなどを順次公開していくそうです。芸術文化活動で地域を盛り立て、街の賑わいに貢献したい。地域に根差す美術館の願いです。
この学芸員は1年半以上も前から、同僚らと開館準備に取り掛かり、展示する作品ひとつひとつの整理、著作権者との連絡、図録の制作などに打ち込んできました。以前にも箱根にある私設美術館の立ち上げに参加した経験があり、こうした作業は慣れっこだったはずですが…。
 「図録とミュージアムショップで使用する作品画像の著作権者を探し出すのに一苦労しました。他館の学芸員やギャラリストなどあらゆるツテを頼り、手分けして計14名の作家の著作権処理をしました」。ほっとした様子です。
 水戸は現在、偕楽園の梅まつりで大賑わい。クヴェレ美術館にも足を伸ばしてみてはいかが。

〇2月某日:「松江新報」記事の波紋
 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』を楽しみに見ています。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と妻のセツがモデル。ドラマではヘブンとトキを、それぞれトミー・バストウさん、高石あかりさんが演じています。
少し前の「松江編」に、こんなシーンがありました。トキの暮らす松野家は、トキがヘブンからもらう高給のおかげで多額の借金を完済。それを「松江新報」の記者が「松野家借金完済 全面ヘブン先生の御陰なり」の見出しで記事にしたところ、トキが借金返済のために身を売った「ラシャメン」であるという噂が広まってしまう。買い物に行っても冷たく拒絶され、家の門内には物が投げ込まれる。トキが投石に遭いケガを負う事態にもなりました。
現代のSNSの「炎上」につながる恐ろしさを感じました。記事にはそう書いてなくても、だれかがネット上で「ラシャメン」「身売り」などとつぶやいた瞬間、それが事実であるかのように拡散され、誹謗中傷の嵐となって対象の人物を追い詰めていく。
当時、市民の唯一の情報源であったろう新聞が、騒動の火付け役となったことにはへこみました。記者は「ラシャメン」とは書いてないし、松野家が借金を完済したのは事実です。だから騒動になっても知らんふりで良かったのか、あるいはメディアとして、一家の名誉回復に何らかの対応が必要だったのか。「そんなつもりはなかった」と弁明する記者をヘブン先生は突き飛ばし、やがて熊本への転居を家族に進言します。
私も記者時代、「事実を書く」ことにはこだわりましたが、「読み手がどう受け止めるか」まで考えながら記事を書いていたか、自問しています。

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