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JRRCマガジン No.442 2025/10/30
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◆今回の内容
【1】 JRRCの著作権講座・セミナーと最近の動向
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皆さま、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
今日10月30日は「 香りの記念日 」
石川県七尾市が1992(平成4)年に制定し、
1992(平成4)年のこの日、七尾市で第7回国民文化祭「世界香りのフェアIN能登」が開催されたそうです。
◆◇◆━【1】JRRC事務局だより━━━━━━━━━━━
JRRCの著作権講座・セミナーと最近の動向
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JRRC事務局 林宏之
皆さんこんにちは。事務局長の林です。JRRCではオンラインの無料著作権講座・セミナーを継続的に実施しています。「著作権講座」は合計で年間5回程度、「著作権セミナー」は年によって回数が変わりますが、年間に3~5回程度開催しています。今回はそれぞれの特徴と参加者の皆様の反応などをご紹介したいと思います。
1.著作権講座について:
「著作権講座」は、初級と中級に分かれており、初級では基礎を中心として、新入職員のOff-JTや知財関係の部署に配属・異動された方が、著作権とはなんぞや?を理解いただくのに適した内容です。これに対して中級はもう少しつっこんだ内容となっています。どちらの講座でも、時機に応じた特集を組んでいます。
例えば生成AIを巡る課題や「死後の人格的利益の保護(八代亜紀さんの場合はどうなる)」といった巷で話題のテーマも盛り込んでいますので、毎回参加いただいても新しい気づきが得られます。
私自身は以前のメルマガにも書いたとおり、もともとは著作権とは関係の薄い仕事をしていましたので、最初のうちは初級と云えども…というお寒い状況でしたが、講師の先生の横で聞いているうちに理解が深まりました。
今改めて考えてみても、同じ話を何回か聞かないと本当の意味で頭に入らないのだなと実感しています。毎回100名を超える皆様にご参加いただいており、アンケート結果も好評ですので、次回メルマガでご案内があればぜひ参加を検討してください。
2.著作権セミナーについて:
「著作権セミナー」は、2023年夏から開始しました。当初は各地方の新聞社の皆様のご協力を得て、主にその地域の官公庁の皆様を対象とし、全国を8つのブロックに分け、1年あまりの期間にそれぞれ開催し、約1,250名の登録、約960名の参加となりました。
2025年度もこれまでに中央官庁向けのセミナー、全国を対象とした2回のセミナーを開催し、約960名の登録、約670名の参加となりました。
このセミナーでは、組織内において最も多く行われている新聞記事の複製利用について取り上げ、適切な利用方法について紹介するとともに、過去に問題となった著作権侵害事例についても取り上げました。さらに中央官庁向けのセミナー以外では、各地域の新聞社の皆様から、新聞記事ができるまでにどれくらいの人が関わっているのか、災害報道時にどのような思いで取材を続けているのかなどについてご紹介いただきました。
3.参加者の皆様の反応と弊センターの対応:
著作権法は初見ではなかなか理解が難しい法律であることは先に書いたとおりですが、参加者の皆様にとっても同じであるようで、終了後のアンケートからそれを読み取ることができますので、それぞれのプログラムでは大切な点は繰り返しながらも、毎回少しずつ内容を変えて、より分かりやすくお伝えできるようにしています。
従来の紙ベースからの急速なデジタル化の進捗、近年の生成AIを巡る対応などで急速に変化する情勢に法律が追いつくのはとてもたいへんなことですが、著作権法では第1条において「 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、 これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」としているとおり、著作者の皆様の権利を守りつつ、利用者が著作物を有効活用できることとのバランスを如何にとっていくかという点に尽きるのだと思っています。
弊センターは、多くの皆様に著作権について広く知っていただくことを活動の柱としていますので、所属されている組織において、上述のような「バランス」に悩まれている方のサポートができればと考えておりますのでお気軽にご相談いただければ幸いです。
これまでの対応事例としましては、著作権講座・セミナーのアーカイブ配信を組織内における講習会の資料にしたい、配布資料を組織内に共有したいといったご希望をいただいておりますが、個別にご連絡いただければそれが可能となるように対応しております。
また、複製利用についての分かりやすい資料の提供を希望される場合もあり、ご要望に応じて提供しています。
このように皆様からご要望をいただくことで、プログラムも資料も少しずつ改善を積み重ねておりますので、講座やセミナー等のアンケートでは遠慮なくご希望をお寄せください。
4.今後の展開:
「著作権講座」については、今後も年5回程度、初級及び中級の講座を継続致します。例年は5月に初級、8月頃に中級講座を開催し、秋から年末にかけて再度、初級、中級講座を1回ずつ、さらに年明けには大阪工業大学との共催で初級相当の講座を開催していますので、ご都合のよい回にご参加ください。
また、「著作権セミナー」は、全国の官公庁や企業の皆様を対象として、今後も年2回程度継続的に開催予定です。こちらの内容は、官公庁の皆様の参加が多いことから、官公庁でよく利用されている複製の扱い方を例としてより実践的な内容としています。
さらに最近ではQ&Aの時間をより長く確保して参加者の皆様からの多くのご質問に対応するとともに、主な質問と回答については記録も作成し、アーカイブ配信のご連絡と合わせて公開するようにしています。
5.終わりに:
著作権を巡る係争や報道は増えており、本年5月には投資コンサル会社が、新聞記事等約13,000本を無断で複製し、イントラネット上で共有されていた事案が大きく報道されました。また、AIを巡っては、本年8月に読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞が相次いで米国の生成AI企業を提訴しましたので、今後の動向を注視していきます。
消化しきれないほどの多くの情報が流れ、何が事実なのかがよくわからない世の中になってきていますので、複数のニュースソースにあたって確認していくことがますます重要になっています。いわゆる「オールドメディア」とネット上のメディアの対立や批判などが喧伝されていますが、「オールドメディア」が世の中に向けて発信する情報は、その媒体の主義主張はあるにせよ、一次情報としては今後も重要であることは変わらず、読み手がそれらを読み比べることで自身の知見としていくチカラが試されることになると感じています。新聞については、全国紙のみならず様々な地方の新聞を目にすることが多いのですが、紙面の作り方や重点とされる情報が当たり前ですが異なりますので、改めて複数の新聞を読み比べることの大切さを実感しています。
必要な情報を入手し、取捨選択していく過程においては、複製は有効な手段となりますし、日本国内においては、弊センターをはじめとして適法に複製を行うための手続きも整備されていますので、権利者への還元という観点も頭の片隅に置いていただき、新聞社や出版社が皆様に「知っていただく」ために送り出した情報を複製することで有効活用していただければ幸いです。
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