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JRRCマガジン
2012/08/20配信 第2号
━━目次◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.著作権百夜一夜話 第2話『知的財産権』という言葉の話
2.ほっとな話題 『自炊』代行業の話 その一
3.読者の声 読者の声の投稿と掲載
4.プロムナード 編集者の雑談アレコレ
5.インフォメーション 退会などの各種手続き
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皆様、こんにちは (^o^)/
日本複製権センター メールマガジン編集者です。
つい先日JRRCマガジンを創刊した!とホッとしていたら、早や1か月経ち
ました。なんだかんだとやることが多くてたいへんな仕事、と今更思っても後
の祭り。
創刊号を発行したあと、「楽しみにしている」「ガンバレ!」などのご感想を
お寄せいただきました。
たいへんありがたく、かつ責任の重さも感じております。
読者の皆様に、一層お役に立てるマガジンにしたいと奮起している今日この頃
です。
それでは第2号をお届け致します。
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著作権百夜一夜話
第2話 『知的財産権』という言葉の話
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◆はじめに
創刊号の「著作権百夜一夜話」では、「『著作権』って、どういう権利?」と
いうトピックを取り上げましたが、第2号では、著作権の各論に入る前に、知
的財産権の中で著作権がどのような位置付けになっているかをひも解いてみた
いと思います。
◆『知的財産権』という言葉の話
現在、広く流通している「知的財産権」という言葉は、日本が「知的財産立国」
を目指すため、2002年7月に「知的財産戦略会議」によって策定された
「知的財産戦略大綱」 において使われるようになりました。
▼知的財産戦略会議
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki/kettei/020703taikou.html
▼知的財産戦略大綱の「はじめに」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki/kettei/020703taikou.html#0-0
かつては、「無体財産権」は、
著作権と著作隣接権が「知的所有権」として、
特許権、実用新案権、意匠権、商標権等が「工業所有権」として
区別されていました。
上記「大綱」において「知的財産権」という言葉が使用されるようになった後
も従来の「工業所有権」は「産業財産権」という用語を使うこととされました。
▼知的財産戦略大綱
第3章「具体的行動計画」
4.「知的財産関連人材の養成と国民意識の向上」
(2)国民の知的財産意識の向上
(1)用語を「知的財産権」「産業財産権」に統一
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki/kettei/020703taikou.html#3-4-2-1
その後、上記「大綱」は、2003年度以降「知的財産推進計画」と改められ、
毎年公表される「推進計画」においても、2003年版と2004年版には
「産業財産」、「産業財産権」の用語を使用すること
が謳われていましたが、2005年度以降の「推進計画」では、
これら用語の使い分けはされなくなりました。
一方、2002年12月に制定された「知的財産基本法」の第2条には
「知的財産」と「知的財産権」が定義されていますが、そこでは、産業財産や
産業財産権という用語は使われず、著作権も含めて「知的財産権」として一括
して用いられています 。
▼知的財産基本法 第2条
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/hourei/kihon.html
又、特許庁のホームページの「特許」の項目中に、2008年6月25日付の
解説として「産業財産権について」の項目が記載されています 。
▼特許庁⇒特許⇒「知的財産権制度の概要」
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/seido/s_gaiyou/chizai01.htm
以上のように、知的創造活動から生まれる所産が「知的財産」であり、その中
で、文芸・学術・美術・音楽の分野における思想・感情を表現した創作物(
「著作物」)の権利等が著作権法によって規定され、産業の発展を目的として
創造されたものの権利等を規定しているのが特許法、実用新案法、意匠法、商
標法等ということになります。
これら以外に知的財産権について規定している法律としては、不正競争防止法、
種苗法、半導体回路配置保護法等が挙げられるほか、明確に法制化されてはい
ないものの、「ノウハウ」や「パブリシティ」という言葉で保護される知的財
産や無体財産があります。
▼不正競争防止法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H05/H05HO047.html
▼種苗法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10HO083.html
▼半導体回路配置保護法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S60/S60HO043.html
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ほっとな話題
『自炊』代行業の話 その一
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◆はじめに
いわゆる自炊代行は、新聞の一般紙でも大きく取り上げられ、広く知られるよ
うになりました。また、悪質な自炊代行業者に対して訴訟にまで発展したこと
は記憶に新しいところです。
この自炊代行業について、今回と次回に分けて、訴訟までの経緯と訴訟後の動
向について概観したいと思います。
◆『自炊』代行業の話 ~訴訟に至るまで~
携帯型電子ブックリーダー(電子書籍端末)の第一世代は2007年に米国で
発売されましたが、2010年以降、日本でもその普及はスピードアップして
います。
日本では、出版、印刷、コンピュータのハード・ソフト等の業界のほか、関係
団体等が参加して1986年に設立した「日本電子出版協会(JEPA)」が
中心となって電子書籍端末の基準作りを含め、デジタルコンテンツ(端末上で
読める著作物等)の基準作り等の取り組みを進めてきました。
▼日本電子出版協会
http://www.jepa.or.jp/
しかし、多様な需要に応えるためのデジタルのコンテンツのリリースは十分で
ないためか、紙ベースの出版物を端末で読むために、その出版物を「自分で」
デジタル化してPCを介して取り込む、所謂「自炊」が行なわれるようになり
ました。
私の知人も、自分で購入した本を自分でスキャンしタブレット型端末に取
り込んで読んでいます。「たいへん便利だよ※」と言っていたのを思い出
しました。(※個人の感想です)
このような行為が行なわれる一方で、個人で自炊できる人は決して多くはない
事実に着目され、2011年になると「自炊代行」を行なうサービス業者が続
々と市場に参入、これをきっかけに、「著作権上の問題」がクローズアップさ
れてきました。
自炊代行業者は、「あくまで、個人ができない『自炊』を代行するだけ」で、
著作権法の「私的使用目的の範囲内の複製」であることを主張し、それを拠り
所として同様の業者が急増したのでした。
このようなサービスに対して疑問と危機感を持った出版社7社と作家122名
は2011年9月5日、自炊代行業100社に対して質問状を送り、9月15
日までに回答を求めました。
この質問に対し、多くの自炊業者は理解を示し、「著作権のある書籍のスキャ
ンを行なわない」旨を回答した一方で、質問状に名を連ねていない権利者の著
作物のスキャンは問題ないと解釈した業者はそのサービスを継続していました。
このような状況に鑑み、悪質と思われる自炊業者2社を相手に、2011年
12月20日、7人の作家・漫画家が東京地方裁判所にスキャンサービス(著
作権侵害行為)の差し止め請求訴訟を提起しました。
~次号に続く~
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読者の声
『読者の声』の投稿と紹介
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このコーナーは、身近なテーマについて、読者の方から投稿して頂き、その中
から選出して『読者の声』としてご紹介するコーナーです。
残念ながら前回は投稿が0件でした。テーマが良くなかったと思います。
今回はいかがでしょう?皆様のご投稿、お待ちしております!
◆今回のテーマ
インターネット以外の日常生活の中で、「これは著作権法に違反では?」
と思うこと(もの)
◆投稿先はこちら
⇒ https://fofa.jp/jrrc/a.p/111/
◆『読者の声』のご紹介
ございませんでした。
掲載された方には粗品を進呈いたします。
なお記事として掲載する場合は、事前にご連絡しご了解を頂くように致します。
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プロムナード
♪ ♪ 悠 久 の 王 宮 ∞ ∞
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ストックホルム(スウェーデン)
数年前の6月中旬、ストックホルムで行なわれる国際会議に参加する機会があ
りました。
北欧といえば、すがすがしい空気感、豊かな自然、抜けるような青空等を想像
しますが、筆者が宿泊したホテルは、ストックホルム港の前にあり、そこから
の眺めは豊かな自然というよりは、悠久の文化でした。
港越しに歴史を感じる旧市街地や宮殿、大聖堂等が見え、「これはもっとスト
ックホルムを知らなければならない!」との使命感から、会議の合間や、会議
以外の時間を有効に使って精力的に文化に触れてきました。
王宮の衛兵交代式見学、運河クルーズ参加、アカデミー賞会場見学、ヴァーサ
号博物館見学などなど・・・
この時期は丁度「白夜」の季節。
暗くならないと就寝する習慣がない身にとって、たとえ会議の後であっても、
見聞き、飲み食いする時間は十分あり、寝不足!になったのは当然の帰結でし
た。(でも会議で居眠りはしていませんよ)
とある日の午前11時過ぎ、港から王宮までブラブラ歩いていったら、たまたま
筆者以外の観光客も市民も付近にいなかったため、王宮の門横の番小屋で歩哨
に立っていた若くてハンサムな近衛兵に
May I take your photo?
と尋ねると、観光客慣れしているせいか、にっこり笑って絵葉書のような写真
が撮れました。
その後12時を過ぎた頃に王宮前広場に行ったところ、丁度衛兵の交代式に遭
遇しました。先頭に立って行進してきた軍楽隊の演奏は、まるで一流プロのブ
ラスバンドがコンサートで聴かせるような演奏なのです♪♪
ビックリして感心して、日本では見られない光景だなぁと感じ入っていたら、
パレードの後ろを行進していた隊員が、首からつるした箱に軍楽隊のCDを積
み上げて売りにきました。日本でよく見かける光景だなぁ・・・。
その後、当地の象徴である「ノーベル博物館」を訪れ、短時間ではあるものの
一通り見学してヴァーサ号博物館に向かいました。
そこに復元展示されている「戦艦ヴァーサ号」は当時の王様がポーランドとの
戦のために作らせ1628年に完成したのですが、欲張って?大砲を積みすぎ
て進水直後にストックホルム湾内で沈没したそうです。なんと・・・
1961年に引き上げられたものだとのことですが、その雄姿は広角レンズを
使っても1枚の写真に収まりきれないほどの巨大さであるばかりでなく、船内
の居住部分の規模と船体に施された手の込んだ彫刻に度肝を抜かれました。
(@_@;)
▼ヴァーサ号博物館 http://www.vasamuseet.se/
◆5◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
インフォメーション
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第2号はいかがでしたでしょうか。
皆様からのご意見、ご感想、ご希望などお聞かせ頂ければ幸いです。
次号もご購読よろしくお願いいたします。
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