JRRCマガジンNo.379 政策研究大学院大学 文化産業・地域創造コースの開講について

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JRRCマガジン  No.379 2024/7/25
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※マガジンは読者登録の方と契約者、関係者の方にお送りしています。

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◆今回の内容
【1】田渕先生の「政策研究大学院大学 文化産業・地域創造コースの開講について」
【2】【8/1開催】「オンライン著作権講座 中級」開催のお知らせ
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皆さま、こんにちは。

今日7月25日は「かき氷の日」
かき氷は「夏氷(なつごおり)」の別名で呼ばれることから【な(7)つ(2)ご(5)おり】の語呂合わせで日本かき氷協会が記念日に制定したそうです。

今回ともう一回執筆を担当していただく政策研究大学院大学教授の田渕エルガ先生を紹介します。田渕先生は、文化庁、知的財産戦略本部(内閣府)、世界知的所有権機関(WIPO)等で国内外の著作権行政に携わり、横浜国立大学大学院では著作権研究・教育に携われた著作権関係のエキスパートです。今回は、新たに政研大の教授に就任され、新規の講座として「文化産業・地域創造コース」を開講されることになりましたので、ぜひその内容を紹介していただきたいとお願いし執筆していただきました。次回(8/29配信予定)は欧州デジタルサービス法・デジタル市場法について執筆していただく予定です。なお、今回は2回だけの執筆ですが、時期を改めまして連載をお願いする予定です。

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【1】田渕先生の「政策研究大学院大学 文化産業・地域創造コースの開講について」
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1.はじめに

 皆さま、こんにちは。

 今回、 JRRCマガジンでの執筆を担当することとなりました田渕エルガと申します。現在は、政策研究大学院大学で、知的財産政策や文化政策に関する教育研究に携わっています。それ以前は、中央省庁や国際機関、地方公共団体、大学での勤務を通じて、コンテンツ産業をはじめとする、広く文化関連分野の関係者の方々とお仕事をする機会に恵まれました。本日は、2025年4月に政策研究大学院大学で新たに開講される文化産業・地域創造コースについて、ご紹介します。

2.政策研究大学院大学について

 政策研究大学院大学は、日本初の本格的な政策研究・教育の拠点として1997年に誕生した大学院だけの国立大学です。東京・六本木にあるキャンパスに、50以上もの国々からきた学生が学んでいます。日本人学生も、官庁や地方公共体、民間企業などさまざまな組織から集まっています。講師陣は多様な分野の研究者に加えて、実務経験者も多く、研究の基礎と実践の両方について学びを提供しています。学生は自ら選択する学問分野での理論や分析手法を学ぶとともに、関心をもつ課題に対して学際的に取り組むことができます。こうした多様性、国際性を備えた環境は、文化のもつ多様な価値を発見し、その意義を学ぶのにも適したものと考えています。

3.文化産業・地域創造コースについて

(1)ねらい
 文化や芸術を国や地域の魅力につなげ、新たな産業や市場を創出する動きが世界的に広がっています。文化の豊かさと経済の豊かさをつなぐ多様な活動は、文化芸術活動の担い手を支えるだけでなく、中長期的に住民のウェルビーイング向上や地域の活性化につながります。 

 日本には、世界に誇るべき文化芸術が多彩に存在し、魅力あるコンテンツ群が生み出されています。和食から現代アートまで多様な文化資源を地域の魅力につなげる動きも広がっています。事業展開の中核的要素として、あるいはブランドづくりや社会貢献の観点から、文化を位置づける民間企業も少なくありません。しかし、その一方で、文化の多面的な活用や発信、輸出振興を含めた産業としての育成、調整役を担う人材の養成等に課題も指摘されています。 

 文化・芸術の価値を生かして地域や産業の活力を生み出し、その成果を活動の担い手に還元し、さらなる価値やイノベーションの創出につなげるエコシステムを構築し、文化と経済の好循環を実現することが求められています。

 このため、幅広い観点から文化資源を捉え、地域の魅力づくりや観光、文化芸術ビジネス、文化イノベーションの創出などに生かすことができる人材を育成することを目的として、2025年4月に、政策研究大学院大学公共政策プログラムのもと、文化産業・地域創造コースが開講します。

(2)対象
 中央省庁、地方公共団体、非営利団体、企業等の関係者をはじめ、文化と経済の循環について学び、将来の実践に役立てることを希望する全ての方が対象となります。 

(3)文化産業・地域創造コースの特色
   ① 実践的な学び
  文化の価値への新たなアプローチや文化の産業化について、多面的に学びます。理論と実務に精通した講師陣のもと、文化に関わる企画立案に必要な専門的知識や政策手法、社会実装手法について、海外を含む事例研究も通じて、実践的に学びます。並行して、特定の課題についての研究成果(ポリシー・ペーパー)をまとめ上げます。事業体における実務的課題に対して解決策を提案する実践型の研究プロジェクトの実施成果(報告書など)をポリシー・ペーパーの提出に代えることも可能です。

 ② 国際的な環境
  外国人留学生が6割以上を占める国際色豊かな環境で学びます。希望により英語科目を履修することで、さらに国際的経験を積むことができます(Global Studies認定証の授与もあります)。また全学生を対象とした特別講演であるGRIPS Forumでは、国内外の指導的立場にある方々から学ぶことができます。

 ③ 幅広いネットワーク形成
  中央省庁や地方公共団体の職員、美術館等の文化施設や民間企業で実践を担うプロフェッショナルとの交流を通じて、ネットワーク構築の機会を提供します。

 ④ 1年間の修士課程コース
  通常2年間の大学院修士課程を1年間で短期集中させるコース(平日昼間開講中心)となります。1年以上かけて学位を取得することをご希望の方についてはご相談に応じます。必要な単位を修得し、ポリシー・ペーパーの審査に合格することにより、修士(政策研究)(Master of Policy Studies)の学位が授与されます。
  なお、科目等履修生として本コースの特定の授業科目を履修することも可能です。詳しくは本学ホームページの「入試案内 -よくある質問 -科目等履修生」(https://www.grips.ac.jp/jp/admissions/faqs/option/)をご参照ください。
  
(4)履修内容と修了要件
   以下の授業科目を履修し、合計30単位 以上を取得するとともに、特定の課題についてのポリシー・ペーパーの審査と最終試験に合格することが修了要件となります。なお、履修内容は準備中のものであり、変更になる可能性があります。
 ①  コース指定科目(10単位)
  ●文化産業と政策
   文化産業の実態や国際比較、政策のあり方について広く考察します。国家・地域のブランドとしての文化、観光資源としての文化、企業活動における文化の役割、コンテンツ産業におけるマネタイズの課題等について、中央省庁の政策立案担当者等による講義と討論を行います。
  ●日本文化資源論
   文化の特徴、仕組み、影響を学ぶとともに、日本文化の特徴に焦点を当て、そのコンテンツを生かした文化戦略と実践過程を検討し、資源としての日本文化のもつ特殊性と世界に共通する普遍性について理解することを目指します。その上で、日本発の文化産業の実例を検証し、今後を展望します。
  ●文化産業と地域振興
   文化芸術イベント開催、歴史的建造物の再生、デジタル技術の活用、経営資源としての文化芸術などに関する先進事例について、関係者による事例発表を通じて学び、横展開の手法を考察します。
  ●文化産業と法制度
   文化産業に関わる知的財産法、文化財保護法、労働法、税制等の制度について、理論と実践を学びます。
  ●文化産業とマネジメント
   文化関連事業の運営、資金調達、広報、マーケティング、アーカイブ手法などの実務を学びます。
 ② 必修科目(2単位)
   研究技法基礎 (特定の課題に関してポリシー・ペーパーを作成するために必要な技法を学ぶ)
 ③ 選択必修科目 (8単位以上)
   政策過程論、経済学、The World and the SDGs、データサイエンス ほか
 ④ 選択科目
   都市政策の法律基礎、社会基盤整備のPPP/PFI 、地方行政論、地方財政論、「食」を通じた地域振興論、 科学技術イノベーション政策概論 ほか

(5)入試情報
 ● 選抜の方法 …………第一次審査は書類選考、第二次審査は面接
 ● 選抜日程 …………… 2025年度の入学生のための試験日程は、次のとおりです。
第1回 第2回
出願受付期限 2024年10月11日(金) 2025年1月10日(金)
第1次審査結果発表 2024年11月 7日(木) 2025年1月31日(金)
第2次審査(オンライン面接) 2024年11月14日(木)
  または15日(金) 2025年2月 6日(木)
または7日(金)
第2次審査結果発表 2024年11月27日(水) 2025年2月28日(金)

 ※ 詳細については本学のホームページ「入試案内 -募集要項」
  (https://www.grips.ac.jp/jp/admissions/guidelines/)
  GRIPS_AppGuide_DomesticMaster_2025.pdfをご参照ください。
 ※ ご関心のある方は是非までお問い合せください。

 文化産業・地域創造コースの詳細情報・パンフレットはこちらをご覧ください。

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【2】【8/1開催】「オンライン著作権講座 中級」開催のお知らせ
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今年度初となる、JRRC著作権講座”中級”を開催いたします。

本講座は知財法務部門などで実務に携わられている方、コンテンツビジネス業界の方や以前に著作権講座を受講された方など、著作権に興味のある方向けです。講師により体系的な解説と、最新の動向も学べる講座内容となっております。エリアや初級受講の有無やお立場にかかわらず、どなたでもお申込みいただけます。

今回は特集として、①著作物の境界領域等について②AIによる情報解析と生成物についてを取り上げる予定です。

参加ご希望の方は、著作権講座受付サイトよりお申込みください。

★日 時:2024年8月1日(木) 10:30~16:50★

プログラム予定
10:35 ~ 12:05 知的財産法の概要、著作権制度の概要1(体系、著作物、著作者)
12:05 ~ 13:00 休憩
13:00 ~ 13:10 JRRCの紹介
13:10 ~ 14:15 著作権制度の概要2(権利の取得、権利の内容、著作隣接権)前半
14:15 ~ 14:25 休憩
14:25 ~ 15:30 著作権制度の概要2(権利の取得、権利の内容、著作隣接権)後半
15:30 ~ 15:40 休憩
15:40 ~ 16:40 著作権制度の概要3(保護期間、著作物の利用、権利制限、権利侵害)
16:50 終了予定
詳しくはこちらから

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編集責任者 
JRRC代表理事 川瀬 真

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