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知恵袋

小学校の授業で学習到達度の確認をするために、業者から見本としてもらったドリルを生徒分複製・配布し、テストしている。

私はある小学校の教員ですが、父兄の負担をできるだけ少なくするため、教材業者から見本としてもらった国語のドリルを生徒分複製・配布して、一週間に一度学習の到達度を確認するためテストをしています。この場合、教材業者の許諾は必要ですか。(35条、36条)
国語のドリルを複製する行為は、権利者の複製権(著作権法21条)に抵触します。
もっとも、①教育機関において教育を担当する者が、②授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、③必要と認められる限度において、また、④著作権者の利益を不当に害しない限り、⑤公表された著作物を使用することができます(35条1項)。本件は、小学校の教員が、学習の到達度を確認するという授業の過程での使用を目的として、公表された市販の国語ドリルを、生徒分のみ複製して使用するというケースですので、上記①②③⑤を満たします。
しかし、本件の国語ドリルは、まさに、生徒の自宅学習用に作成されたもので、本件のような使い方は、著作物の種類・用途から見て、④著作権者の利益を不当に害することとなります。
したがって、本件では、35条1項の適用はなく、権利者である教材業者の許諾が必要です。

回答者  山本隆司 弁護士 (インフォテック法律事務所)
※回答内容は本ケースにおける一例を掲載しています。
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