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営業部の定例会議で新聞・雑誌記事を複製・配布したい。

私はある企業の営業部長ですが、営業部の定例会議で、営業活動に有益と思われる新聞や雑誌の記事を複製・配布し、それに基づき今後の方針について指示をしたいと思っています。この場合、権利者の許諾が必要でしょうか。
新聞や雑誌の記事は、単に事実を伝達するに過ぎないようなものを除き(著作権法10条2項)、通常は著作物に該当します。よって、記事の複製は、新聞社や雑誌社が記事について有する複製権(21条)に抵触します。
もっとも、複製権は、私的使用を目的とする場合には、制限されます(30条1項)。しかし、企業その他の団体において、内部的に業務上利用するために著作物を複製する行為は、「私的使用」には該当しません(東京地判昭和52年7月22日判決〔舞台装置設計図事件〕)。したがって、本件のような定例会議で使用するための複製も、「私的使用」にはあたらず、複製権は制限されませんので、本件では、複製権について、権利者の許諾を得る必要があります。
なお、会議における記事の配布は、通常は「公衆に提供」には該当しませんので、譲渡権(26条の2)には抵触しません。しかし、会議のメンバーが多数にのぼる場合には、「公衆に提供」に該当し(2条5項)、複製権にも抵触するので、その場合には、譲渡権の許諾も必要です。

回答者  山本隆司 弁護士 (インフォテック法律事務所)
※回答内容は本ケースにおける一例を掲載しています。
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