JRRCマガジン第124号(クリスマスあれこれ)

半田正夫

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JRRCマガジン No.124   2017/12/28
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いよいよ年の瀬も押し迫って参りました。
こんにちは、JRRCメルマガ担当です。

今年最後の配信となりますが、
本年も「JRRCメールマガジン」をご愛読いただきましたこと、
本当にありがとうございました。

さて、
今回の半田先生のコラムは、「クリスマスあれこれ」です。
聖なる夜、きっと皆さまは素敵な時間を過ごされたことでしょう。
半田先生のクリスマスの素敵なエピソードを交えて、著作権の存続期間等
についてお話しくださいました。

◆◇◆半田正夫の著作権の泉━━━

第54回「クリスマスあれこれ」

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クリスマス・シーズンになると、「ジングル・ベル」、「赤鼻のトナカイ」
などのクリスマス・ソングが街中から聞こえて、歳末の慌ただしさを更に
いっそうかき立てられるのが恒例である。毎年のようにクリスマス・ソングが
作られるのでその総数は大変な数になるであろうし、各人の思い入れの強い
ソングもそれぞれ異なると思うが、私にとってもっともクリスマスらしい
思い出の曲といえば、アービング・バーリンが作り、ビング・クロスビーが
歌った「ホワイト・クリスマス」以外にはないといえるようだ。
映画「ホワイト・クリスマス」を観たのは今から60数年前、札幌の映画館で
あった。詳しい話の筋は忘れてしまったが、ビング・クロスビー演じるボブと
ダニー・ケイ演じるフィルはかつて戦友で、今は芸人としてブロードウェイや
ラジオで人気を得ているが、たまたま訪れた山間の旅館の経営者がかつての
司令官であるウェイヴァリー将軍であること、そして雪不足のため客足が
遠ざかっていて倒産寸前であることを知り、軍隊時代の仲間に声をかけて
この宿に集合させるというストーリーであったようだ。ラストシーンで、
全員でホワイト・クリスマスを唄うと、折から深々と雪が降ってきて野山を
白一色に染め上げるという場面があった。この場面がまさに感動的であって、
歌と外の風景とがぴったり合ったという印象を強く抱いたことを、まざまざと
思いだされるほどだ。

ホワイト・クリスマスの楽曲は当初、「スイング・ホテル」というミュージカル
映画のために作られたもので、1942年のアカデミー歌曲賞を得ているそうで
あるが、当時は太平洋戦争の真っ只中ということもあり、日本で知られる
ことはなかった。日本で注目を集めたのは私が観た「ホワイト・クリスマス」
という映画が1954年に公開されてからである。この楽曲は日本でヒットした
だけではなく、世界中で大ヒットを重ねており、シングル盤で5,000万枚以上の
売り上げを果たしているとのことである。作詞・作曲を担当したアービング・
バーリンは1989年に死亡しているから、まだ著作権は存続しており(米国では
死後70年であるから2059年まで、日本では死後50年であるから2039年まで存続、
それに戦時加算として10年が加わる)、今なおクリスマス・シーズンになると
世界中で演奏されるため、著作権使用料も莫大な額に達しているようである。
仄聞するところによると、アービング・バーリン出版社という音楽管理出版社が
このホワイト・クリスマスの1曲のためだけに設立されていて、毎年秋になると
事務所を開き1~2名の職員で使用料徴収の業務を行い、クリスマス・シーズンが
終わって業務が完了すると事務所を閉めて休業状態に入るとのことである。
この1曲だけで1年は優に暮らせるだけの収益を上げていることになる。

ホワイト・クリスマスに限らず著作権が存続しているクリスマス・ソングは
数多くある。「赤鼻のトナカイ」、「サンタが街にやってくる」などの洋物
をはじめ、山下達郎の「クリスマス・イヴ」など日本人の作ったものは
そのほとんど全部が著作権者の許諾が必要と考えて差し支えない。
「ジングル・ベル」、「きよしこの夜」については曲と原詞については著作権が
切れているものの、日本語での訳詞については著作権が存続している可能性
がある。同様に、讃美歌については訳詞はもとより、曲や原詞についても
著作権が存続している可能性があるので、使用する場合には日本キリスト教団
出版局に問い合わせておく必要があろう。なお、クリスマスによく演奏される
シベリウスのピアノ曲「樅の木」は、彼が亡くなったのは1957年9月であるから、
死後50年以上経過しており、日本において使用する場合は著作権フリーと
なっている(彼の生国のフィンランドは第二次大戦中、枢軸国に属していた
から戦時加算の適用はない)。ただ本国においてはEU加盟国の一員として
死後70年としているため、著作権は存続していることに留意する必要がある。

余談ではあるが、クリスチャンではないわが家でも、戦前の子どものころから
クリスマス・プレゼントなるものがあった。クリスマス・イヴに、たとえば
シャープペンシルが欲しいなと親に言うと、「それではサンタさんにお願い
しなさい。」との返事が返ってくる。そこで神棚に柏手打ってお参りし、
お願いすると、翌朝には枕もとにちゃんとシャープペンシルが置かれてあった。
「サンタさんはどこから来たの」と親に聞くと、「煙突を通って来たんだよ」
という。当時、札幌に住んでいたわが家には石炭ストーブがあったから、
煙突はあるにはあったが、こんな細い煙突を通って来れるのか不思議でならず、
その瞬間を見ようと、眠い目をこすりながら起きていたが、眠さには勝てず、
いつのまにか寝てしまい、朝起きてみると願っていた贈り物が枕もとに
置かれているのが常であった。ある年、板チョコが欲しくてそれをお願い
したが、目覚めてみると、あったのは銀紙に包まれたチョコボールであった。
「お願いしたのは、板チョコなのに」と不満をもらすと、親は「手元に
なかったので、これで勘弁してほしいと言ってたよ」と言った。サンタにも
持ち合わせがないということもあるのだ、ああそうか、今は非常時だからなと、
そのときは子供ながら納得したのであった。
 
今年も、澄んだ声ではあるが、それでいて物憂い歌い方のクロスビーの
「ホワイト・クリスマス」を聴きながら、幼い頃のことを想い出しつつ
クリスマスを過ごした。

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